映画 ニード・フォー・スピード | [みさと天文台友の会 松本のブログ] 星も音楽もド素人なのに何故か会長になってしまった松本の悪戦苦闘の日々(会長就任8年目に突入)

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昨日はこの春から高校生になった息子とジストシネマ和歌山で映画「 ニード・フォー・スピードニ」を観てきました。



以下、高1の息子のがブログを書いたのですが・・・
長すぎる?と思った人、興味のない人はパスして下さい!


暑い夏だからこそカーレース映画で熱くなろう

とは言うもののカーレースと言う言葉が似合わない映画ですね(笑
僕がそう言い切る理由は後ほど...
(あらすじ)
天才的なドライビングテクニックを持つ レーサーのトビー(アーロン・ポール)は、パートナーのディーノ(ドミニク・クーパー)に 裏切られぬれぎぬを着せられてしまう。そのリベンジを果たすため、彼はチューンアップされた スーパーカーが目にも留まらぬスピードで疾走する危険なストリートレースに挑む。
ライバルたちの妨害や警察が執拗(しつよう)に追跡する中、ゴールに向かってひた走るトビーだったが……。

ここからはシナリオ、映像、音楽、話題性の4つの視点から☆5で評価しようと思う。

【シナリオ】☆☆
内容は復讐劇とでも言いましょう。
アメリカ映画と言える単純、ご都合主義展開の連続。ただそこが安心して見られる。
シナリオに期待して映画館に行く方はやめておいたほうがよいでしょう。
カー映画といえば有名所にワイルド・スピードがありますがニード・フォー・スピードは全くベクトルの異なる映画といえるでしょう。ワイルド・スピードより圧倒的に走っていますしスピードやカーの事故も圧倒的にこちらのほうが上といえるでしょう。
 この映画で自分が一番気になったのはすべての始まりとなる事件。
トビーの親友の死。濡れ衣を着せられるところは別に良い。
しかしたったあれだけの証拠でトビーが罪を被せれられ無実の罪で投獄されてしまうのは少し納得しがたい。
あの世界での警察は暴走車にパトカーをぶつけたりとむちゃくちゃなのでなんとも言えない。
復讐心が生まれないと復讐劇は生まれないから仕方がないと取れないことも無いですがやっぱりもう少し上手く組み立てられなかったものか...そこが少し残念ですね。
 だがラストシーンにトビーがディーノに復讐をするシーンがほんとうに良い。
トビーは最後の最後までカーレーサーとしてトビーに復讐し、殴ったのは一回親友の分だけ。
ヤられた分だけをきっちりやり返す。トビーは最後の最後まで車でしか復習しません。
日本は必要以上に相手に復讐するから質が悪い。倍返しでも無くヤられたままにやり返す。
日本ももう少し見習って欲しいところもありましたね。
 全体的なシナリオとして決して悪いわけではないが期待してみるものではないですね。
ということで☆2つ

【映像/演出】☆☆☆☆☆
とにかくこの映画の本編は映像と演出といってもよいでしょう。
 映像の見どころは現代の技術にとらわれず従来の技術と現代の技術の組み合わせで車の良さと疾走感を見事に捉えているところです。
元スタントマンと言うだけあってCGは使わず可能な限り実物で頑張っています。
転倒する車などはハリボテで作っているそうですが見ていても全く気にならない。
今の時代CGを使わない映画が本当に珍しい。CGを使わ無いことを売りにしているだけあってその良さがわかっている監督です。
 疾走感を愛しすぎた監督の「伝説」―。
監督は本当に見せ方が上手く素晴らしい演出の様々が繰り広げられて疾走感が非常に出ています。
複数のカメラのアップテンポな切り替え、多くの視点からの映像。ワイルドスピードは余裕で超える演出だと僕は思います。車の加速時の音と合わせた映像は本当に時間が止まっているかのように感じさせる。
このカメラワークだけは口では説明出来ない。ぜひ見に行ってほしいと思う。
 自分が特に気にいっているのが背景。アメリカはこれほど綺麗で美しい土地なのだろうかと思いました。
個人的に気に入っているカットはトビーが夜の橋の下で女性と会話をしているシーンです。
橋と奥の町の数色の光とトビー側の手前の黄色に近い光が非常に良い雰囲気を出しています。
この映画全体的に黄色と青色が強い映画と言って良いでしょう。いい感じの雰囲気を出しています。
映像で必要なのはその場の良い雰囲気作りです。洋画が雰囲気作りでは世界一かもしれないですね。

【音楽】☆☆☆
音楽は非常に良い物が多いが車の音にかき消されてどうも聞こえにくい。
ラストシーンのBGMは本当に映像とマッチしていてよかった。
音楽は映像やシナリオを輝かせてこそ価値のある存在であるので十分役目を果たしていたと思う。

【話題性】☆
この映画の一番の問題点はここ。
ジストシネマ和歌山で公開初日の今日昼から見ましたが観客は僅か二十名弱。
公開初日でこの人数はさすがにまずいでしょう。
数カ月前に上映が決定してその時に自分はこの映画の存在を知った。
しかし気が付くと予告動画が公開され話題にならないまま映画が上映された。
ちなみに日本語吹き替え版も存在しない。それだけでなくアメリカで先に公開されにもかかわらずまったく話題になっていない。
その為話題にならないと出向かない日本人には見に行く対象ではなかったたのだろうこの映画は。
この間の金曜ロードショーで一回だけ予告が流れたがあれだけで見に行くことを決める人は少ないだろう。
映像にあそこまで力を注ぎ頑張ったのは認めるし評価する。だが広報に力を入れなかったのは結局自分の首を締めることになってしまった。どれだけ良いものであっても人に見てもらわないと価値が出ない。
おそらくこの映画は価値が出ないまま埋もれていくだろう。僕は非常に残念で仕方がない。

総合評価としては☆☆☆で良いではないだろうか...
この評価の二割をシナリオ、一割が話題性、残りの七割を映像と音楽が占めている。
最後にカーレースで無い理由だけ簡潔に説明しよう。
レースというのは車が複数台あってこそ成り立つものである。
しかしレースをする度にどんどん車が事故にあい賞金となる車が鉄くずになって減っていくことはカーレースと言いがたいからである(笑
結局勝ち抜いても貰えるのは鉄くずだけというなんとも言えないレースです。
 ひと通り言いたいことは言ったのだがまだ気になるところが残っていた。
それは予告である。映画を見ていない人にはわからないだろうが映画を見たあとに見るとネタバレだらけの予告である。見せ所まで見せてしまったいるのはどうだろうか(笑
 最後に僕が言いたいのはとりあえず映画を見に行って欲しいということだ。
これほどよい映画が埋もれて消えていくのは本当に惜しい。だからこそもう一度言う。
暑い夏だからこそ熱いカーレースではないカーレースはいかがでしょうか?




最後まで御静読頂き有り難うございました(保護者談)