2020年4月7日。


東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が出、その後4月16日にその対象は全国に拡大しました。


中でも大阪は「特定警戒都道府県」と位置づけられ、翌月5月21日まで緊急事態宣言が解除されることはなかったのでした。初めての緊急事態宣言は、全国全面解除となるまで1ヶ月半を要し、5月25日まで続きました。まぁこの後も、再度の緊急事態宣言、まん延防止重点措置と繰り返し先の見えない戦いが続いていくわけですが、この頃、Dの純情は1つの大きな企画を進めていました。それは、CharMagic Dreamのなつき、志織(当時はまだしずく名義でしたかね)の合同生誕祭をさきしまで、というものでした。


結論から言うと、中止。断念せざるを得ない最も大きな障害が、この緊急事態宣言でした。


令和2年4月7日から令和2年5月15日まで「外出自粛要請・イベントの開催自粛要請・施設の使用制限」、この発令がエンタメの息の根を止めにかかる最初の一撃でした。


それは大きな挫折でした。


なつきと志織は、先にも書いたように演者ではありますが、大切な仲間であり、娘のように公私共に関係性を築いてきた仲です。そんな2人が生誕の企画が動き始めた時に、さきしまで出来るのならば是非と動き出した企画でした。企画が始まったのはそれこそ前の年の10月とか11月、コロナのコの字もなかったまだ当たり前のライブがそこにはあった頃。「生誕ができるんなら、大好きなさきしまでやりたいです!」そう言ってもらえたこと、本当に嬉しかった。


今だからもう時効ですが、決まっていた演者様は、主役であるMagic Timeさん、そしてKeeperGirlsさん、Planet paradeさん、櫻乃ゆうぎ姫さん、七瀬いろはさん、SaKIさん(ATSUKIの女性アーティストとしての姿)、福田りんさん、麻雛紗弥さん、七瀬美菜さん、にっぽんのウイルスさん(現在のにっぽんワチャチャさん)、おじどるさんが決定していました。2人が呼びたい、また縁のある人を中心に豪華なラインナップが決まっていました。


その時に残したお詫びの文章が残っています。


新型コロナウイルスの世界的な大流行は、深刻な事態を引き起こし、世界中を不安に陥れています。昭和平成を牽引した大スターが逝去したことをきっかけに、日本中の人達の中でフェーズは引き上がったし、危機管理意識はより高まりました。同時にイベントや、携わる人間には厳しい声もより強くなり、関係者の悲痛な叫びもより強くなっています。総合的に考えて、今、イベントを強行するには理解も、そして安全管理に万全の状態を望むのも困難な情勢です。このタイミングで、2人の生誕祭を笑顔で実施することはできるのか?ご出演の皆様、ご来場の皆様に安心、安全な環境を提供できるのか、ここ1ヶ月はそればかり自問自答していました。結果として、休館のリリースを受け、中止せざるを得なかったですが、今でもでき得ることなら開催したい気持ちはあります。しかし、社会情勢も鑑み、苦渋の決断ではありましたが中止とさせていただきました。本当に悔しい。イベンターになって、今回が1番の挫折感を感じています。


このリベンジを必ず。そう誓って、幻のDの純情初の生誕祭の企画は無念の中、中止となりました。2人のさきしまでの生誕祭は、2023年4月22日に行われました。挫折から3年もの時を経て、止まった時間が動き出すまではそれだけの長い期間が必要となったのです。


(憎いコロナ禍はまだ続きます)