オトループ渋谷CRAWLワンマンライブ「36-林檎の唄-」から1週間。

ようやくブログを書こうかなぁ…としています。このライブは必ず行かなければならないライブ。ベースのふっきーさんがオトループを抜ける最後のライブ。場所は東京渋谷CRAWL。大阪の自分がおいそれ簡単に行ける場所ではありません。

ライブ自体はクラウドファンディングに参加しているのでお金は新たに必要ありませんが、移動距離や滞在費を考えるとまさに「P.O.M」金は力にものを言わせてきます笑

それでも当日朝には東京行きの新幹線に躊躇なく乗り込んでいましたがね笑そんなお金の「アリカ」はどこから出たのかは置いといて笑、やってきました東京へ。5月の渋谷DESEOに来ていたので久しぶりの東京、今年2度目のこんにちわ「リハロ」です。

もうすぐ「空鳴き蝉」も鳴こうかとばかりに暑かった前回に比べても、一転寒さ厳しい東京は冬。ライブハウスへ向かう足も手も強ばります。DESEOの時も迷ったっけ…初めて行くCRAWLもスマホ片手に街をさ迷います。道を聞こうかとも思いましたが、東京の人は冷たい(一般論)、前も人見知り「Hit Me Silly」全開で訊ねたのに色よくは教えてもらえなかった…(涙)。そんな「コワモテメランコリー」な顔はしてないんだけどな?笑

不安と期待を胸に、夜の街を徘徊。渋谷はいつ来てもパリピな街笑。大阪もかなり人が多いけど、何だかこの街の人混みは異質だ。たくさん人が溢れているのに、誰も「無色透明カメレオン」を見ているかのように誰もその視界に写していないよう。

人混みをすり抜け、ようやくたどり着いたCRAWL。見知った顔を見てようやくほっとする。久しぶりの再会でも、僕のことを知っていてくれる人がこの遠い街にもいることが嬉しい。仲間がいるってことは「DAKARA DAKARA」嬉しいことなんだよな。

オトループと知り合って2年以上になるのかな?僕にとっての「プライマリー」なオトループは「A型症候群」。なんだこの面白い歌は?って思ったのが最初。当時の僕は折に触れて話してもいるけれど、「モトカノループ」してはもう決して許されないような人様に褒められる話でもない恋をしていて、心が荒みきっている頃でした。毎日色んな人を裏切り、大切なものを欺き、それでも自分の「青」い「感情方程式」を優先させることだけに奔走していた頃。

纐纈君があの日、ライブハウスの重い扉を開いてくれって僕に伝えてくれなければ、その言葉が僕の心に届かなければ、今の僕はいないし、あの頃偶然にやり取りしたリプのやり取りが、人生を変える僕とオトループの「交換日記」になることはなかった。

「人間エントリーシート」がもしあるならば、たぶん僕は欠陥だらけの人間です。オトループの紡ぐ歌は、コミカルにデコレートした恋愛の楽しさや苦しさ、言えなかった想いや後悔、人間くさい歌がたくさんあって、どの曲のどの視点もちゃんと聴く者の一番柔らかい場所に寄り添ってくれている。だから響くんです。心の大切に、ちゃんと向き合ってくれる歌だから、こんなにも愛おしい。

ライブが始まって、ふっきーさんがもういなくなるんだ…っていう現実が頭をよぎるんだけど、不思議とライブ中は寂しさが消えていて、ただただこのサイコーな時間が終わってくれるなとだけ。悲しいなんて言うなよ楽しもーぜ?とばかりにギターが鳴り、ドラムが弾み、ベースが遊んでいる。分かってるんだ、自分達が志半ばで、今、分岐路に立っているくせに、こんなに楽しくて愛おしい音を出す…まるで「アマノジャクの独白」だ。悲しいを楽しいに変換しているんだ。

ブワッ…っと風が吹いたよな気がした。「アネモネ」の前奏が流れる。ギリシア語で風を現すanemos(アネモス)がアネモネの語源らしい。風花が散るような赤いライトの「光」が、まるで血の色のようで寒気がするほどにエモーショナルで。なんでこの曲で感情が一気に揺さぶられたのか。偶然だろうがアネモネの花言葉は儚さ。今日を境に彼らは違う道を歩き出す。6年という時間は、様々な経験をくれる代わりに様々なものを奪っていく。共に過ごした時間と、この先交わらない時間と、…3人の時間は今日、終わるのだ。涙がこぼれていた。泣くまい、そう決めてきたのに無駄だった。

36年という時間の果てに、万感の想いを乗せた歌が生まれた。言えなかったさようならと、言いたかったありがとうと。名曲がまたひとつ、この世界に生まれた瞬間に立ち合えた喜び。まさに「いただきます」の境地だ。噛み締めます。



ホテルに戻ったら、ブログを書こうと思ったけど書けなかった笑。想いが溢れすぎて、140文字で呟くのが精一杯で。ホテルの「ルームナンバー103」ではなくて31。奇しくもクラウドの入場順と同じ数字だった。

あれから1週間が経ち、気持ちにも整理がついてきたのでようやくブログに手をつけた。本当に書きたかった想いは全て載せきれない。最高の3ピースバンドがいた。オトループって名前の最高の3人が。最高のベーシストが抜けて、今は2人になってしまったけど、オトループは止まらずに走り続けてる。

あの日、感情のほとばしるままに駄文を「消印東京」で残さなくて本当に良かった笑

オトループの全てを語るにはまだまだ時間が必要だ。これからも僕はオトループを追いかける。それくらいオトループの未来に賭けている。オトループを語れるだけの言葉を、僕はもっとその言葉を、

「ことばを知りたい」。