わたくしが入部していた吹奏楽部は、顧問の先生が大変エネルギッシュな方だったこともあり、毎夏のコンクールで良い成績を残すことを目標に一生懸命日々練習に励んでおりました。

3年生の時には都大会にまで出場し、青春ドラマさながらにチームワークを高めながら、時にOBと言われる卒業生までが指導に来てくれていました。

忘れもしない、夏のコンクールの自由曲が発表される春の日のこと。
全員を集めた音楽室で、先生はおっしゃいました。

『今年、うちは〈吹奏楽のための 神話 天の岩屋の物語による〉に挑戦します』と。
  そしてすぐに、その曲のCDをかけて下さいました。

『わあ~も、もの凄く難しそうな曲(-_-;)』と思いました。

そして先生はお話しを続けられました。
『この曲の原曲にはクラリネットのソロがありますが、うちの学校はフルートでやってみます』と。

あの時の緊張と胸の高鳴りは今でも忘れることが出来ません。 これが、わたくしが人前ではじめて演奏したフルートソロであり、様々な感情を体験させて頂けたきっかけです。