一例が毎日新聞、毎日新聞は中国政府から金を貰い中国政府機関紙チャイナウォッチを掲載している。同じ系列にあるのがTBSであり、中国政府浸透企業です。米国のように外国政府代理人登録制度を作り、監視と公開すべきですね。
— 経済評論家 渡邉哲也 (@daitojimari) July 16, 2025
英紙ガーディアンより https://t.co/WQhllspakx pic.twitter.com/KnDjuF1YMn
「China Watch(チャイナ・ウォッチ)」
さて、これが何かをご存知だろうか?
「チャイナ・ウォッチ」は、ワシントン・ポストやウォール・ストリート・ジャーナル等、米国を中心に、世界中の有力新聞の中で、目にする機会が増えたと感じるようになった。そこで取り上げられている内容は政治・経済・社会・文化といった時事ネタが中心で、紙面の構成まで、普通の新聞と何ら変わりない。
しかし、これは前述の大手新聞社が発行している新聞ではない。中国のプロパガンダなのである。中国政府が発行するもので、米国等の有力新聞社に資金を投じることで、彼らが発行する新聞の中に紛れ込ませて購読者の手に渡るよう、計算されて作られている。「チャイナ・ウォッチ」は、各国からプロパガンダ・キャンペーンと批判されている、中国のパブリック・ディプロマシー(PD)の一戦術なのである。
いまや米国を中心に世界展開される中国のプロパガンダ・キャンペーン。
日本への影響が気になるところである。
実は2016年から、毎日新聞においても、「チャイナ・ウォッチ」が掲載され始めた。例えば、昨年11月の同紙における「チャイナ・ウォッチ」は、「盛り上がるウィンター観光」との見出しに、ウイグル自治区を「日本・韓国・スイスに並ぶウィンター観光地」として2022年北京冬季五輪までに整備するという内容を紹介した。中国は、米国を始め、世界中から非難される中国のウイグル族への弾圧を、視点を変え、魅力的な地として宣伝・発信していると見られる。
ガーディアンによれば、米国や欧州では、中国はその一国における複数の新聞メディアに資金を投じ「広告」を織り交ぜているが、日本に対しては、現時点では毎日新聞一社に絞られている。

一方、米国においては、米国の東海岸から西海岸までの有力メディアを押さえていることからも、中国が全米メディアを重視していることは明白である。全米の「広告」掲載部数をすべて足しても、毎日新聞の方が多いが、部数の多少が中国の関心の大きさと比例するとは限らない。米国は日本と比較しても新聞自体の発行部数が極端に少なく、とりわけ日本は一般家庭への新聞の普及率が欧米と比較しても高いからだ。
しかし、「チャイナ・ウォッチ」の日本進出には、中国なりの狙いがあると見られる。それが、日米離反であろう。米国の対中圧力が強まるにつれ、米国の同盟国である日本を米国から切り離すことが、中国にとって重要になったと考えられる。
筆者の経験に基づけば、2012年9月に米国において「尖閣諸島は中国に帰属する」との「チャイナ・ウォッチ」の折り込みが出回っていた頃、米国の大学でも、尖閣諸島をめぐる日中対立が講義で取り上げられていた。講義の中では、中国当局が「広告」の中で使用した尖閣諸島の写真が使われ、大きな階段教室の一番奥にある巨大スクリーンにパワーポイントで映し出された。
「アジアではこんな小さな岩のような島を巡って対立している国もある」といった内容で、尖閣諸島を巡る日中対立について講義が行われたが、概要の紹介のみで、なんともあっさりと終わったことに違和感を覚えた。同盟国である米国でも、大学などでは日本の立場が支持されているわけではないのだ。
まさに、尖閣諸島をめぐる日中対立の最中、日本では一部ネットなどで中国叩きもあり、政府や外務省も対応に追われていたが、リアルタイムで目にし、耳で聞いた米国の反応や立場は、日本とは大きな温度差があるように感じられた。

(中略)「チャイナ・ウォッチ」の存在が日本国内でも知られるきっかけとなったのは、2012年9 月11日の日本政府による尖閣諸島の国有化である。これに対し、中国がすぐさま激しく反発したのは、記憶に新しいところだろう。
実は、その直後の2012年9月28日、ニューヨーク・タイムズおよびワシントン・ポストの有力新聞が中国の尖閣諸島に関する「広告」を同時に掲載した。しかも、「尖閣諸島は中国のものだ」といった報道ぶりで、だ。
両紙は、これまでも「チャイナ・ウォッチ」を数多く掲載してきたが、この回に限っては日本の安全保障の立場にとって大変不利になる深刻なネタであり、そういった書きぶりがなされていた。
広告の大見出しは「尖閣諸島(中国語原文では釣魚島)は中国に帰属する」とされ、誌面の中央には、巨大な尖閣諸島の写真が掲載されていた。その写真の周りをぐるりと囲むような格好で、尖閣が中国の領土である理由等が、かなりの分量で書かれていた。そして両紙は、紙面区分が報道に見えるよう、つまり、一般紙面に完全に紛れ込ませた格好で、2ページ見開きでこれを掲載した。

新聞の字は細かい。両広告とも最上段に小さく「広告」と記されてはいるが、その直下にでかでかと「China Watch(チャイナ・ウォッチ)」「China Daily(チャイナ・デイリー)中国日報」とあるため、「広告」の主張は全くと言って良いほど目立たない。いや、むしろわざと目立たなくしているのだ。目を皿のようにして隅々まで読まないと、普通の新聞記事、つまりそれが「ニューヨーク・タイムズ」だったり「ワシントン・ポスト」の報道記事であるかと思い込みかねない。
これが、中国の「広告」戦術の一つである。この戦術における中国の狙いは、米国政府ではなく、米国民だといえる。米国政府は「尖閣諸島は日本の施政権下にあり、日米安全保障条約の適応対象となる」との立場を示しているが、米国政府の政策決定に影響を与える米国民に対し「尖閣諸島は中国のものである」との宣伝工作を仕掛けることによって、米国世論を味方につけようというのだ。
現地でも感じたが、米国の認識と、日本の危機感との間のギャップがあまりにも大きすぎる。「チャイナ・ウォッチ」に関しても、以前、筆者がワシントンにあるシンクタンクの一部職員にインタビューしたところ、「あんなものは誰も真面目に読まない。ちゃんとみんなプロパガンダとわかっている。もちろん、田舎の方に行けば、そんなことも知らずに目を通す市民もいるが……。ここ(ワシントン)では目を通して捨てる、あるいは目を通す前に捨てるだけだ」と苦笑していた。
「みんな」とはどの範囲を指すかは不明だが、少なくともワシントンの中では一定の警戒感は出てきているということだろう。それがトランプ政権になって、中国に対する不信感や警戒感が増大しているから、なおさらだ。
しかし、日本はどうだろう。
いったい何人の日本人が「チャイナ・ウォッチ」の存在や、中国の世論工作が日本でも展開され始めたことを、認識しているのだろうか。
情報通信技術の発展とインターネットの普及により、情報は偏り、操作され、視聴者や読み手は自らの嗜好に沿ったニュースだけが選択されて供給されていることに気付かないという状況が起こっている。「フェイクニュース」までもが出回り、実際に米国大統領選に影響を与えたとまで言われるようにになった。
日本国内においては、「チャイナ・ウォッチ」の存在や役割自体を知っている国民もそう多くない。
そうした中、「広告」を目にしたらどうだろう。
「借り船戦略」にまんまと引っかかり、信じてしまうかもしれない。
日本政府としては、「これは歴とした中国の世論工作だ」と、毅然と対応し相手にもしないという対応策が賢明かもしれないが、そもそも「広告」の存在や中国のPD事態を知らない国民にとっては、信じるか信じないかは、自分次第となってしまっている状況なのだ。
「危機管理」。この言葉が、日本のPDを考えるとき、いつも頭に浮かぶ。
国家としての危機管理はもとより、国民一人一人の意識改革も必要となっているのではないだろうか。
情報が飛び交う中で、一方向のみに偏ることなく、あらゆる視点で情報を汲み取り、正しく情報を判断する力を養う努力は、決して難しいことではないはずだ。
中国のシャープパワーの矛先が日本に向いたとき、国家としての対応も必要だが、我々国民一人一人がそれをどう受け止め、どう対応するか。我々自身も、しっかりとした対応が必要である。



