出棺の時が来た・・
ベンツの霊柩車に パパの棺は乗せられた
その霊柩車を背にして 私たち3人は
参列者の方に向かって並んだ
私の最後の仕事・・喪主の挨拶
昨日 葬儀屋の担当の方と
子供たちと打ち合わせをしていた時の話
私
『色々言いたいけど 上手に喋れるかな~』
担当の方
『奥さん かしこまった言葉なんて
要りませんよ~
ご自分のお言葉が皆さまの心に 一番届きます』
その言葉を思い出し 深呼吸した
『いざとなったら 僕らが喋るからな~』と
子供たちも心強い事を言ってくれてたのも
思い出した
マイクを渡され 自分の声が響き渡る事に
少し緊張したが
話し始めると 自然とスラスラ
言葉も声も出始めた
内容ははっきり覚えてないが
お礼の言葉から始め・・・
皆様もご存じの通り にぎやかで明るい主人が
最期1人で倒れて 寂しかったと思います。
無念だったと思います。
でも 誰にも迷惑をかけず 1人で倒れたこと
主人の私たち家族への 最期の優しさだったと
思うようにします・・・
みたいな挨拶をしたと思います
その後
子供たちがいざとなったら話すよ
と言ってた言葉を思い出し
私は 自分の挨拶の後に
『子供たちからも 一言ずつ挨拶を
させてください』
と マイクを息子に渡した
マイクを受け取った息子は
堂々と話し始めた
『僕の父は 凄い人でした。
倒れてから母の誕生日まで
本当に頑張ってました。
一生懸命 最期まで戦っていました。
そんな 父を見習って 頑張っていきます・・』
そんな内容だったと思います
最初は あんなに堂々としていた息子も
最後は涙 涙で・・・
参列者の方までも 涙にさせてしまいました
私は 頑張れ~と 心の中でつぶやきながら
喋っている息子の背中をさすっていた記憶があります
次は娘・・
『何とかなるさ・・それがパパの口癖でした』から始まり
パパの性格と似ている娘は パパの事を
色々喋った 最後は長女らしく
『私たち家族を これからも よろしくお願いいたします』
と 締めくくってくれた
予想外に しっかり喋れた3人・・
皆 泣いて下さった
私たちのパパへの思いが
皆さんの心に響いたと 少し嬉しかった
私たち3人の後ろにいるパパは 絶対
棺の中で拍手してくれている・・
みんな よくやった~
頑張った~ ありがとう~
って・・・・
そんな気がした
つづく