今日は コロナの患者さんが
運ばれるとの事で 私たちの面会は
午後2時から3人だけと限定された
朝起きると 父が家から近い葬儀場を
いくつか知らべて 資料を印刷してくれていた
本当に父はすごい人だ
私の父は一人っ子・・父の親である 私の祖父 祖母が亡くなった時は 涙ひとつ見せず
1人で葬儀の手配をした
でも 最後の火葬場で棺桶が中に入り
扉が閉まる瞬間
父が 聞いたことのない大声を出しながら
大泣きをしたのを 今でも覚えている
そういう父は 無知の私が
突然の事でダウンしないように・・と
今回もしっかりやり遂げようとしてくれてるのが 私には充分わかった
ありがとう
待ちに待った2時が来たパパに会える
看護師さんから 嬉しいことを言われた
『パパさん お髭も少し伸びてきてますよ~
頑張っておられますからね
明日は お髭も剃ってあげたいので
髭剃りを持ってきて下さい
お口からは、流動食も食べますよ~
その他 おむつ コップ 歯磨きも
持ってきていただき 入院の浴衣は
下の階のレンタルで用意できますので』
普通の入院準備品を言われたようで
うきうきした私
限定された時間の中で 私たち3人は
パパに引っ付いておしゃべりした
パパの体や手は温かく
本当に寝ているかのようだった
こんな近くで しっかりパパを
見たことが無かったが
シミ しわも増えてるね
パパの手は本当に分厚く
家族皆を引っ張ってきた
頼もしい手のひら
パパの心臓の音を
聞いてみよう~
と息子が言い出し パパの胸に耳を当てた
私も~と3人が交代で
しっかりしたパパの心臓の音を聞いた
頑張って生きてるよ~
パパからの答えが聞けた気がした
パパ 頑張ってるね あれパパ
もしかして 奇跡が起こるかもしれない
そんな事を言いながら 子供たちと
嬉しい気持ちで帰った
でもこの夜 また救急車に乗って
ここに来るとは 思わなかった
つづく