実家から数メートル先の駐車場に
パパが車を取りに行き 実家の玄関先で
車を停めてくれるのが
いつもの帰宅パターン
数分待っても来ない・・外に出て
車がやって来る方向を見るが来ない・・
私の妹が見に行ってくれた
嫌な胸騒ぎがしたのを覚えている
見に行ってくれた妹が 遠くから
私の方に向かって叫んでいる
『パパが』
その一言で 私は普通じゃない何かが
起こっていることを理解した
猛ダッシュして 停まっている車に行くと
パパが運転席で座っている・・
助手席の方に顔を向け 口を開けて・・・
状況がわからない私は
『パパ~どうした 起きて~』
そう言いながらパパのほっぺを叩き
体をゆすぶった
『悪い悪い 寝てたわ~』
なんて言ってくれるのかと期待したが
無反応
息子が救急車を呼んでくれた
ふと車の中を見ると ギアがドライブDに
なったまま・・・
私は慌ててパーキングPに切り替えた
救急車が到着する前に 息子が
119番の方から聞いた通り
心臓マッサージをやると言い出した
運転席では無理と理解した私と妹は
パパを車の外に寝かせた
パパってこんな重かったんだ~
無力のパパは一段と重たかった
息子は先日まで通っていた
教習所で習ったという心臓マッサージを
し出した
『パパ~パパ~』と叫びながら・・
気が付けば 無意識に息子は
人工呼吸もやってくれていた
『パパが息を吹き返した』
息子が 私たちに嬉しそうに知らせてくれた
この時 救急車が到着
これでパパは大丈夫 何とかなる・・・
心の中でそう思った
しかし 救急隊員の方が パパを色々とチェックして
『脈拍無し 心肺停止』と告げた
その後
『離れてください~』の言葉とともに
AEDが2回行われた
ふと周りを見ると 私の両親がパパに
掛ける毛布を持って立っていた
娘は 集まったたくさんの人に向かって
『お騒がせして すみません』と大声で
何度も謝り 頭を下げている・・
こんな時にそんな律儀に・・と思ったが
後になって娘は そんな事してた・・・
と言う
動かないパパを前に 無意識に行った行動
なんだろうな~
救急車の扉が開いた・・
つづく