NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回 | 2024年 京都産業大学ラグビー部を応援しょう…。

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肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回

 

 

 

 

『光る君へ』第11回(C)NHK© 女子SPA!

 

ついに互いの想いを吐露し、肌を重ねたまひろと道長。しかし、その恋路は平坦なものではない。

 

想いは募っているのに、距離は近づいたはずなのに、また少しずつ離れていく、そんな2人のもどかしさを描く第11回をレビューする。

 

◆クーデターの成功

 

 

 

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回© 女子SPA!

危ない綱渡りだった。

 

ギリギリの賭けではあったが花山天皇(本郷奏多)を退位させることに成功した兼家(段田安則)。自分の孫を一条天皇として即位させ、自身は摂政へ。そして、わかりやすく自分の息子たちを昇進させた。

 

何があったのか、当の本人たちは煙に巻いているが、大半の人間は「藤原家の企みが成功したのだろう」ということを察している。

 

察しているけれど、どうすることもできない。

 

 

 

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回© 女子SPA!

 

でもそんな中、道長にさらっと「どうやって真夜中に帝を連れ出したの?」って聞いてしまう斉信(金田哲)がすごい。

 

◆兄弟感のわだかまり

 

 

 

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回© 女子SPA!

このクーデターの成功により、誰よりも利を得たのは道隆(井浦新)だろう。事実上、トップに立った兼家の後を誰が継ぐか、と言えば、長子である道隆だ。

 

兼家が安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)に道隆一家を会わせているところからも、その意思が伝わってくる。息子の伊周(三浦翔平)も登場。ちょっと生意気なことを言ったりしていて微笑ましい。そんな道隆一家に意味深な視線を向ける晴明……。彼らの先を見通しているのだろうか。

 

そして、道隆一家が登場ということは、定子も初登場。物語のキーマンとなる定子様の登場……。昂まる。

 

が、納得がいかないのは道兼(玉置玲央)だ。今回のことのために体を張ったというのに、兄ばかりがいい思いをしている。兼家はどうにかなだめたが、道兼の心は今後どうなっていくのか……。

 

◆父のために奮闘するまひろ

 

 

 

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回© 女子SPA!

花山天皇の退位で、大きな影響を受けたのがまひろ(吉高由里子)たちだ。父・為時(岸谷五朗)は官職を失った。

 

為時は最初、兼家の間者の役割を果たしていたが、花山天皇から信頼を得たことで良心が痛んでいた。間者としての役割を解いてほしいと頼み、受け入れられ、喜んだのはつかの間。そのまま花山天皇の治世が続けばよかったのだが、状況は一変。兼家が摂政になってしまっては、もはや為時に復帰の芽はない。

 

まひろは倫子(黒木華)に父・源雅信に為時を推挙してほしいと頼むが、きっぱりと断られる。摂政の決断=天皇の決断であるため、それは難しい、と。

 

さらに、まひろは兼家のもとを訪れ、直談判。一度、自分に背いた者に情けはかけない、とこちらもすげない。

 

まひろは行動力がとんでもないのだけれど、やはりお嬢様である。向こう見ずというか、世間知らずというか……。

 

 

 

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回© 女子SPA!

そんなまひろの行動を知った宣孝(佐々木蔵之介)は度胸があると褒めて笑う。そして、家計が心配ならば婿を取れば良い、と助言。北の方にこだわらなければいくらでもいる、若くて富のある男が良い、と。まひろとしては妾になるのは気が進まない……けれど、家柄的に正妻は難しい。なんだか生まれたときから人生が決まっている感じがしてなんとも難しい。

 

◆好きだけれどままならない

 

 

 

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回© 女子SPA!

 

周辺が騒がしい中でも、どうしても互いのことを思い出してしまうまひろと道長。肌を重ねた一夜のことがふと蘇る。より想いが募るようになってしまったのかもしれない。その表情がハッとする艶がある。

 

形としては、まひろが道長を振ったことになるが、だからと言ってまひろが道長を嫌いになったわけではない。むしろ、好きでたまらない。

 

道長は従者に言伝をし、いつもの場所で再びまひろと会う。抱きすくめ、唇を重ね、「妻になってくれ」と言う道長。

 

まひろは「北の方にしてくれるの?」と聞き返す。

 

道長は黙り込んだあとに返事をする。

 

「北の方は無理だ」「されど、俺の心の中ではお前が一番だ」

 

いや、わかる。言いたいことはとてもわかる。状況的にまひろを北の方にするのは難しい。そして他に妻がいても、まひろが一番であるという道長の気持ちもわかる。

 

でもなんだかな……と思ってしまうのは現代人だからだろうか。

 

◆道長の言葉が引っかかる理由

 

 

 

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回© 女子SPA!

だからと言って「北の方になってくれ」と言われてまひろが受け入れたかというと、そうとも思えない。

 

道長はまひろに向かって「勝手なことばかり言うな!」と憤ったが、もともとまひろが望むものは「妻」ではないのでは?と思う。

 

あと、いつの時代でも「お前が一番だ」は言ってはいけないセリフだなあ、と実感する。だって二番がいるということで、その順位はふとしたときにひっくり返ってしまう可能性があるのだから。

 

◆倫子が羨ましい

 

 

 

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回

肌を重ねた夜を支えにする“35歳女優”、その相手男性の一言にモヤる理由|NHK大河ドラマ『光る君へ』第11回© 女子SPA!

まひろに狙っている人がいる、と打ち明けていた倫子。必ず、その人を婿にして見せると断言できるところに、彼女の強さを感じさせる。

 

地位があり、分別が付き、たおやかさもある。

 

彼女が思いを寄せているのは道長だが、彼女が道長の北の方になることは可能だ。条件は全て揃っている。

 

これで倫子が嫌味な女性ならまだツッコミどころもあるのだが、彼女がそのように育つはずがないのだ。家柄のある家の娘として生まれ、だからと言って甘やかされる事もない。入内させることを念頭に置いて育てられているのだから、それなりに厳しい環境にあるはずだ。それならば他の女性を見下したり、意地悪を言ったりもするのでは、と思わなくもないが、高すぎる場所にいるとそんなことを言う発想もないのだろう。心の余裕が彼女の美しさを生む。

 

ただ、道長が最初に望んだ女性がまひろだともし彼女が知ったとき、どのような思いを抱くのだろうか、と考えてしまう。下世話な妄想かもしれないけれど。

 

<文/ふくだりょうこ>

 

【ふくだりょうこ】

大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ