ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズHCが目を留めた若手…最年少19歳は東福岡高出身

 

読売新聞オンライン

 今月6、7日に福岡市のラグビー日本代表強化拠点「JAPAN BASE(ジャパンベース)」に大学生ら約30人を招集して行われた練習合宿には、九州ゆかりの3選手が参加した。エディー・ジョーンズ新ヘッドコーチ(HC)(64)は2027年ワールドカップ(W杯)に向け、「若い選手の発掘が重要」としており、3人の成長に期待がかかる。(古島弘章) 

【表】五郎丸歩、福岡堅樹…九州ゆかりの主なラグビーW杯代表選手

 

 

ゲーム形式の練習に取り組む竹内柊平選手(左)と高木城治選手(6日、福岡市東区で)=秋月正樹撮影

 

▽東福岡高(福岡市)出身で京都産業大1年のスクラムハーフ高木城治選手(19)

 

▽宮崎工高(宮崎市)から九州共立大(北九州市)を経て、リーグワン2部の「浦安D―Rocks」でプレーするプロップ竹内柊平選手(26)

 

▽東福岡高出身で帝京大4年のウィング高本とむ選手(22)――の3人。

キックの精度強み・高木城治選手

 「走れるし、パスもいい。高いレベルの強度にうまく適応できている」。今回招集された選手の中で最年少だった高木選手は、ゲーム形式の練習で早速、エディーHCの目に留まった。

 物心がつく前から福岡市のクラブチームで競技を始め、ジャパンベースに改修される前の「さわやかスポーツ広場」で楕円球を追いかけた。そんな思い出の場所での練習合宿に呼ばれたことを「感慨深い」と話す。

 球さばきの良さやキックの精度が強みだ。昨年度の全国高校ラグビー大会では、東福岡高の6大会ぶり7度目の優勝に貢献した。今後については「エディーHCの要求をしっかり遂行していきたい」と強調し、「高校の後輩たちへの刺激になればうれしい」と語った。

突破力に自信・竹内柊平選手

 宮崎市出身の竹内選手は22年6月のウルグアイ戦で日本代表デビューを飾った経験がある。それだけに「(今回)選ばれてうれしい。この機会をものにしたい」と意気込む。

 最前線でスクラムを組む身長1メートル83、体重115キロの大型選手だが、「得意なのはフィールドプレー。ボールを持った時こそ輝ける」と突破力に自信をのぞかせる。

 その一方で、「次のW杯に出るためにはスクラムに強くならなければ」と課題を挙げ、「(代表にとどまることで)世界のトップ選手たちから学びたい」と、自身の成長に貪欲な姿勢をみせる。

帝京大3連覇貢献・高本とむ選手

ボールを蹴る高本とむ選手

 

 大阪府出身で、東福岡高で実力をつけた高本選手は「ラグビーをやり始めた時から日本代表に選ばれたいと思っていた。W杯で活躍することが夢だ」と桜のジャージーに憧れを抱く。

 1月の全国大学選手権決勝で、前半3分に先制トライを決めるなどし、帝京大の3連覇に貢献した逸材。合宿でエディーHCのラグビーに触れ、「動き続けることを大事にしていると感じた」といい、「スピードには自信があるが、試合中にどれだけ走り続けられるかも大切にしたい」と前を見据える。

 卒業後はリーグワン1部の「リコーブラックラムズ東京」でプレーする。

「超速ラグビー」基本・エディーHC

エディー・ジョーンズHC

 エディーHCは練習合宿を総括し、「意欲的な選手と共にいいスタートが切れた」と語った。報道陣との主な一問一答は次の通り。

 ――久しぶりの日本での指導はどうだったか。  「選手と同じように私も緊張していた。ただ、楽しい合宿でもあった。初めて会う選手たちのプレーを知ることができて、有意義な時間だった」

 ――どのようなラグビーを目指すか。  「(相手より速く動き、速く反応する)『超速ラグビー』がチームの基本理念だ。この理念のために何が必要かを今回、選手たちに伝えた」

 ――ジャパンベースを利用した感想は。  「空港から近く、移動時間が短い。東京より暖かいのも利点だ。若い選手たちにとっても、また来たいと思えるような施設だと思う。もっともっとこの拠点を活用していきたい」