平野美宇か伊藤美誠か かつてのペアがシングルス最後の1枠争う!22日からパリ五輪選考レース最終戦/卓球

 

 

 

 

サンケイスポーツ

 

2013年全日本選手権の女子ダブルスで平野(右奥)と伊藤の「みうみまペア」は最年少優勝を飾った

卓球のパリ五輪シングルス代表(男女2枠ずつ)の選考レース最終戦となる全日本選手権が、22~28日に東京体育館で行われる。

日本独自の選考ランキングで、女子は早田ひな(23)=日本生命=が独走。残り1枠をかけて、2位・平野美宇(23)=木下グループ=が、3位・伊藤美誠(23)=スターツ=との一騎打ちに臨む。(取材構成・高橋朝香) 

 

【写真】サーブを打つ平野美宇 

 

運命の戦いを前に、自然と気合も入る。2021年東京五輪団体で銀メダル獲得に貢献した平野。自身初となるシングルスでの五輪出場に向け、意気込みを語った。 「どういう場面でも自分のプレーを1球ずつすることが勝ちにつながる。まずは1球ずつ、1本ずつという気持ちを忘れずにプレーしたい」 22年から始まった選考レースは序盤で苦戦したが、昨年7月の世界ツアー「コンテンダー・ザグレブ」で、東京五輪銀メダリストで世界ランキング1位の孫穎莎(中国)に競り勝って優勝するなど、ランクも実力も上げた。

 

「卓球人生の中では、上位に入るくらいの結果が出た」と笑顔で振り返った。 2枠の代表を争う中で、平野は現在2番手。1番手の早田ひな(日本生命)は、304・5ポイント差で独走しているため、実質は平野と34・5ポイント差で3番手の伊藤美誠(スターツ)との一騎打ちとなる。〝みうみまペア〟と呼ばれた同学年のライバルをリードしているが、「今の点差は、ほぼ同じところからのスタート。良い意味で気にせずに自分の卓球に集中したい」と気を引き締める。 

 

世界ランクで決まっていた東京五輪のシングルス代表は、石川佳純(昨年5月に現役引退)と最後まで争い、わずかに及ばず。「前回はすごく結果が気になって、練習も試合もゴールばかり考えてしまう自分がいた。今回はゴールを考えずに、勝ち方や内容にこだわって勝ち切りたい」と、前回の反省を生かす。 選考レースも残り1戦。配点は優勝が120、2位が100、ベスト4が80点で、平野は2位以上に入れば、自力で代表入りが決まる。「〝2度目の正直〟ではないですけど。しっかり結果を出して、絶対にオリンピックの枠を勝ち取りたい」。パリまで続く道を、まい進する。

 

日本卓球協会が独自にポイントシステムを定め、そのポイントを基準に代表を決定する。2022年から始まった選考期間中にポイントを獲得できる代表選考会を複数回実施し、全試合終了後の累積ポイント上位2人が代表に決まる。選考大会は今回の全日本選手権が最後。21年東京五輪は男子が張本智和と丹羽孝希、女子は伊藤美誠と石川佳純が代表だった。

 

■平野 美宇(ひらの・みう)

2000(平成12)年4月14日生まれ、23歳。山梨県出身。大原学園高(東京)卒。木下グループ所属。3歳で卓球を始める。16年女子W杯で日本勢初のシングルス制覇。17年1月の全日本選手権シングルスを16歳9カ月の史上最年少で制し、同年のアジア選手権で日本勢21年ぶりの優勝。世界選手権では同48年ぶりの銅メダル。21年東京五輪は女子団体で銀メダル獲得。158センチ。