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京都産業大学、明治大学と対戦。10度目の準決勝突破に挑む。ラグビー全国大学選手権

 

 

 

 

J SPORTS

 

キャリーするSH土永

 

12月23日、昨年度の対戦で1点差に涙を呑んだ早稲田大学に対し、65-28でリベンジし、年越しを果たした京都産業大学

3年連続10度目の大学選手権準決勝を迎える今年、国立競技場で相対するのは、筑波大学を45-7で破った明治大学だ。大学選手権での対決は今回で8回目となり、2016年に初勝利して以来の対戦となる。当時はスクラムを中心にセットプレーから流れをつかみ、3度の逆転劇で勝利を手にした。

 

その初勝利も、今回の早大への勝利もキーとなったのはスクラムだった。準々決勝の早大戦、京産大の最初のトライはスクラムで優位な状態を作ったことでSH(スクラムハーフ)土永旭(営3=光泉カトリック)のブレイクを生み、シオネ・ポルテレ(現2=目黒学院)がフィニッシュまで持って行った。

 

力強い突破をするポルテレ

 

さらにゴールラインを背にした場面でもスクラムで陣地を回復し、自陣ではペナルティを獲得してFB(フルバック) 辻野隼大(済3=京都成章)が抜群の成功率を見せるキックで得点を刻む。

廣瀬佳司監督は「ヴェア(・タモエフォラウ=現4・札幌山の手)が中心となって、早稲田のスクラム対策をしてきたことが発揮できたと思う」と評価。昨年度の敗戦で、スクラムを上手く組ませてもらえないなど、京産大の強みであるセットプレーを封じ込められた課題を見事に乗り越えた試合となった。

 

しかし、今回のメンバーではヴェアでなく、PR(プロップ)川口新太(法3=東海大仰星)が先発に名を連ねる。ヴェアは早大戦の後半21分に脳震盪で交代した影響で、準決勝の明大戦に出場出来なくなったのだ。

川口は決勝戦ではヴェアが出場可能になることに触れながら「ヴェアさんや(キャプテンの三木)皓正さん、暖かい環境を作ってくれて応援してくれるメンバー外の4年生のためにも意地でも決勝へみんなで行きたい」と意気込む。

「爆発力は川口の方が上」と、彼のスクラムの強さは田倉政憲スクラムコーチに太鼓判を押されるほど。「練習では誰にも負けないし、昨年より強くなっている自信がある」と本人もプライドがある。

 

さらに昨年も、ケガで準々決勝を欠場となった、当時4年次生のPR渡辺龍を国立での準決勝へ連れて行くために力を発揮した。誰かの想いを背負って戦う川口には、猛烈な爆発力がある。

そして、もう1人のPR曽根隆慎(済3=大産大附)も同様に譲れないプライドがある。「オフ期間も京産大で先輩とコーチと、ほぼマンツーマンの状態で練習してきた」と誰よりも努力を重ねた。明大に対して「低い姿勢で相手よりも早くヒットして前へ出たい」と力を込める。

 

ゲインするフナキ

対する明大は伝統的に「重戦車」と形容されるサイズが大きく強力なFW(フォワード)に加え、廣瀬雄也キャプテン率いるタレント揃いのBK(バックス)を擁する。フィジカルを活かして縦に走り込んでくる攻撃と、その裏で仕掛けてくる伊藤耕太郎らのスキルフルなランに警戒が必要だ。

 

スクラムやラインアウトで主導権を握れるか、そしていつも通りの前へ出るディフェンスが出来るかどうか、この2点を廣瀬監督は勝利へのポイントとして挙げる。つまり「京産大らしい」ラグビーの遂行だ。大西健元監督が作り上げた文化、絶対に負けない執着心から生まれるひたむきなラグビーで見ている人を勇気づけるプレーをしていきたい。

 

初の準決勝突破へ向けて戦いに備える赤紺戦士たち。さらに三木皓正(済4=京都成章)の父親は、1990年の1月2日に明大に惜しくも逆転負けを喫した過去があるため、「父が残して行った忘れ物を取りに帰りたい」と、この戦いに特別な想いもある。

決勝戦への切符を掴むのは赤紺か、紫紺か。運命のキックオフは1月2日、午後0:25国立競技場にて。

 

文:大谷賢之介/写真:藤田芽生(京産大アスレチック