京産大が3大会連続4強 大勝で26大会ぶり早大撃破/大学選手権

 

サンケイスポーツ

 

 

【大学ラグビー】京産大対早大、前半22分、早稲田のデフェンス陣を、交わし、引きずり、吹き飛ばして突進し、トライを決めた京産大・シオネ・ポルテレ(#8)=大阪市・ヨドコウ桜スタジアム(撮影・林俊志)

 

(全国大学ラグビー選手権、23日、秩父宮ほか)準々決勝4試合が行われ、京産大(関西1位)は前回準優勝の早大(関東対抗戦3位)に65―28で大勝し、3大会連続の4強入りを決めた。前半22分にNO・8シオネ・ポルテレ(2年)の逆転トライで試合の流れを引き寄せた。来年1月2日の準決勝(国立)では明大(関東対抗戦2位)と対戦する。

 

  【写真】前半30分、左隅にトライを決め1回転した、京産大・西浩斗 キューン

 

目びっくり115キロの巨漢の走りに8582人の観衆がどよめき、驚がくした。6-7と1点を追う前半22分、京産大のNO・8ポルテレが敵陣ゴール前30メートル付近でのラックからパスを受けると、タックルに来た相手防御4人を次々とはね飛ばし、そのままインゴールになだれ込んだ。 「僕の役目はチームが苦しいときに前に出ること。絶対にトライを取ると思っていた」 圧巻の爆走で逆転。

 

試合の流れを大きく引き寄せると、昨季の大学選手権準決勝で1点差で逆転負けした悔しさを晴らすように選手たちは相手を押し込み、縦横無尽にピッチを駆け抜け、早大を突き放した。「昨年の負けはまだ心に残っている」。昨季の早大戦はWTBで出場していたポルテレは満足感を漂わせた。1年前の雪辱を果たすとともに、元日本代表WTB大畑大介らを擁した1997年度以来26大会ぶりに早大から白星を挙げた。 

 

指差しメラメラ大勝の中、伝統のスクラムへのこだわりも忘れなかった。30点をリードしていた後半26分には相手ゴール前で得た3度の反則からいずれもスクラムを選択。押し切ることはできなかったが、相手FWに十分な圧力をかけたところでFB辻野隼大(3年)を走り込ませてトライを奪い、駄目押しした。

 

カラオケ広瀬佳司監督も「京産大らしい戦い方で勝つことができ、うれしく思う」とたたえた。 全国大学選手権の京産大は一昨季、昨季も含めて9度の準決勝進出が最高。準決勝の明大戦に向け、ほんわかFL三木皓正主将(4年)は「10度目の挑戦。乗り越えたい」ときっぱり。今回こそ『国立の壁』を突き破り、チームの新たな歴史を築き上げる。

(月僧正弥)