京都産業大学、セットプレーに課題を残し早稲田大学に敗戦。菅平夏合宿練習試合

ラグビーレポート by 京産大アスレチック

 

 

スクラムを組む福西隼杜共同主将

 

8月25日、天候に恵まれ、温かな日差しが差し込む中、ラグビー合宿の聖地、長野・菅平高原で、京都産業大学は関東の強豪・早稲田大学と対戦した。2日前には、昨季1点差で勝利した日本大学相手に68-26で勝利。前日の明治大学との合同練習ではセットプレーを重点的に強化し、今回の合宿の大一番に挑んだ。

最初に試合を動かしたのは京産大。前半2分、相手のミスからのラインアウトモールで、相手の隙を突いてHO(フッカー)李淳弘(大阪朝鮮・2)がトライ。先制点を挙げた。だが、早大も黙ってはいない。前半10分にはスピード感のあるプレーで反撃を受け、5-5の同点に。一進一退の攻防が続いた。

その後、持ち味のセットプレーからモールトライを決めリードし、その流れに乗るようにLOラウシ―・アサエリ(日本航空石川・4)が強靭なフィジカルで、インゴールに押し込み追加点を奪う。ここまではセットプレーを起点とし、得点を重ねる「京産大らしい」スタイルで早大相手に17-5 とリードを奪う完璧な立ち上がりとなった。

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しかし、ここからは徐々に早大の波に飲まれ始める。マイボールスクラムでもペナルティを取られ、ピンチに陥る場面が増えた。前半27分と34分には立て続けにトライを奪われ、17-19と逆転される。その後も点差を縮めることが出来ないまま前半が終了。

2点ビハインドを負い、チーム全体に緊張感の走る中始まった後半戦。さらに気温も上がり、京産大の動きに疲労が見え始める。後半3分には、ディフェンスを振り切られ、追加点を許した。さらに後半10分、自陣ゴール前でのラインアウト。モールディフェンスがバラつき、止めきれずインゴールに攻め入られた。

 

 

ゲインするSO(スタンドオフ)西仲隼(近大附属・4)

 

苦しい場面が続いていたが、ついに京産大にチャンスが訪れる。敵陣でターンオーバーを成功させ、この機会を絶対に逃さないよう必死にボールをキャリーする。CTB(センター)家村健太共同主将(流通経済大学付属柏・4)がインゴールにキックパスを出し、WTB(ウィング)北山絢大(東海大仰星・4)が楕円球を抑えてトライ。22-33となった。

 

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【ハイライト】早稲田大学 vs. 京都産業大学| 菅平合宿 練習試合

 

この流れに乗ってさらに得点を重ねたいところだったが、スクラムでのペナルティが多く、相手の勢いを止められない。後半23分にも、ペナルティから招いたピンチでトライされ、再び引き離された。

試合終盤、どんな劣勢になろうと京産大の足に絡みつくような低いタックルの姿勢は変わらない。最後までひたむきなラグビーを続けたが、早大に一歩及ばず22-40でノーサイド。春季トーナメント負けなしの京産大にとっては久々の敗戦だった。

 

 

 

今回の敗戦について家村健太共同主将は「このタイミングで早大と試合させてもらって、僕たちの今の状況を把握できたことはすごくプラスに捉えています」と結果を真摯に受け止め、さらなる飛躍を誓う。廣瀬佳司監督は「セットプレーを重点的に、また一から頑張っていきたい」と述べた。

8月27日に控える流通経済大学との試合に向けて、FL(フランカー)福西隼杜共同主将(報徳学園・4)は「今日の気持ちを絶対忘れずに、合宿の集大成として、最後の試合は絶対に『完勝』したい」と固い決意を口にした。今回の敗戦でさらに一歩進化した京産大ラグビー部。彼らの活躍に益々目が離せない。

 

文/写真:藤田芽生(京産大アスレチック)