事始めで井上八千代さん(左端)にあいさつする芸舞妓たち=13日午前10時51分、京都市東山区・井上さん宅の稽古場
© 京都新聞社 事始めで井上八千代さん(左端)にあいさつする芸舞妓たち
 
 

 京の花街や旧家が迎春準備に取り掛かる恒例行事「事始め」が13日、京都市内であった。祇園町では芸舞妓たちが芸事の師匠やお茶屋を回り、「おめでとうさんどす」とあいさつを交わした。

 京舞井上流家元で人間国宝の井上八千代さん宅の稽古場(東山区)では、昨年は新型コロナウイルス禍で事始めの行事を簡略化したため、2年ぶりに華やいだ雰囲気に包まれた。鏡餅がずらりと並び一足早く新春の風情となる中、午前10時半ごろから祇園甲部の芸舞妓が相次いで訪れた。

 

 芸舞妓たちが井上さんらに「相変わりませず、おたの申します」と頭を下げると、井上さんは松と梅の意匠をあしらった祝いの舞扇を手渡しながら「(来年春の)都をどり、頑張って」「おきばりやす」などと声を掛けていた。