三輪山そのものがご神体! 三輪そうめん | 2026年度 京都産業大学ラグビー部を応援しょう…。

    三輪山そのものがご神体!日本最古の神社のひとつ、大神神社の謎

     

    吉田 さらさ

     
     

     

    三輪山

    © JBpress 提供 三輪山

    神の中の神

     奈良と言えば、法隆寺や東大寺など日本を代表する寺を思い浮かべる人が多いだろうが、実は、それらが建立されるより古くから存在し、日本の始まりを物語る神社もいくつかある。そのひとつが、桜井市の三輪山のふもとに鎮座する大神神社だ。「大神」と書いて「おおみわ」と読むところからもわかるように、この神社に祀られる神は、神の中の神であり、もっとも偉大な神と言われる。

    『古事記』や『日本書紀』には、この神社の創始にまつわる伝承が書かれている。『古事記』によれば、大物主神という神が出雲の国の大国主神の前に出現し、自分を大和の東の山(三輪山)に祀れば国造りを成就できると告げた。『日本書紀』によれば、その時大物主神は、自分は大国主神の別の御霊であると語り、三輪山に鎮座したとのこと。つまり、大物主神は大国主神と同一の神ということになる。

     こうした伝承を持つ神を主祭神として祀るため、この神社のご利益は、まず国造り、そこから農業、工業、商業すべての産業開発、交通、航海、縁結び、酒造りなど、人々の暮らしの安定と幸福にまつわるあらゆることがらを網羅し、実に幅広い。また疫病を鎮めたという伝承もあるため、製薬、病気治癒のご利益もあるという。国家の危機である今こそお参りし、大物主神様の御威光でこの状況を打破してくださいとお願いしたいものだ。

     

    三輪山そのものがご神体

     境内は広く、さまざまな伝承を持つスポットや摂社があるが、まずは、まっすぐに拝殿前に行ってお参りをしたい。ここで、この神社の大きな特徴に気づく。一般的な神社では拝殿の背後にはご神体を祀る本殿があるものだが、この神社にはそれがなく、境内全体を包み込むように聳える三輪山そのものをご神体としている。山や岩などの自然物をご神体とするのは、より古い時代の信仰形態である。

     

    大神神社の拝殿 写真=アフロ

    © JBpress 提供 大神神社の拝殿 写真=アフロ

     

    拝殿とご神体の山の間を区切る鳥居も、ここだけで見られる独特の形だ。中央の大きな鳥居の左右に小さな鳥居があるため、三ツ鳥居または三輪鳥居と呼ばれる。この鳥居も、本殿に代わる存在として神聖視されてきた。以前はこの前に立ってお参りもできたが、昨今は新型コロナウイルス感染拡大防止のため拝観停止中の可能性もあるので注意したい。

     また、これも現在は停止中のようだが、実は、ご神体の三輪山にも登拝することが可能である。ずいぶん前にわたしも登ったことがあるが、通常の登山とは異なる点が多々あった。

     まず、登り口で不要な荷物を預け、そこにおいてある幣で自分自身にお祓いを施す。神聖な地に足を踏み入れるのだから、まず自らの穢れをすべて落として行く必要があるのだ。撮影、飲食はむろん禁止。下世話な話だが、トイレもない。山内で見たものについて語るのもよくないとされるため、詳しくは書けないが、古代に行われていた祭祀の跡をいくつか見たとだけ言っておこう。

     

    蛇を見かけたら吉兆

     境内には、他にも、古代への入り口のような謎めいた場所が多く、中でも印象深いのは、巳の神杉と呼ばれるご神木である。

     

    大神神社の巳の神杉 写真=アフロ

    © JBpress 提供 大神神社の巳の神杉 写真=アフロ

     

     大神主神は数々の女性と恋に落ちた大国主神の化身でもあるため、やはり、なかなかエロティックな伝承を持っている。顔を隠して夜な夜なある娘を訪ね、怪しんだ娘が正体をあばくと、実は蛇だったという驚くべきストーリーだ。そのためこの神社では、蛇も神として大切にされ、参拝の際に蛇の好物とされる生卵をお供えする風習がある。以前お会いした神職の方が「長くここにいるわたしもまだ見たことがないが、蛇は本当にいます。実際に見た人が何人もいるのです」と言っておられた。蛇が現れるのは吉兆とのことなので、探してみて欲しい。

     

    三輪そうめん 写真=PIXTA

    © JBpress 提供 三輪そうめん 写真=PIXTA

     

     お参り後にぜひご賞味いただきたいのは、この地の名物、三輪そうめんである。神社を出たところからJR桜井線の駅周辺まで、いくつもの店がある。わたしは三輪山から下ってきてすぐ、一番近い店に駆け込んで、冷たいそうめんをいただいた。もう10月だったがかなり暑い日だったため、つるつるとのどごしのよいそうめんが、この世で一番のごちそうに思えた。あれはもしかすると、大物主神からのご褒美だったのだろうか。