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40年間お疲れ様でした。親指シフトキーボード&関連ソフトの販売が終了します

三浦一紀
 
 
 
 
 
 

またひとつ、歴史が幕を閉じます

富士通は、親指シフトキーボード、ワープロソフト「OASYS」、日本語入力ソフト「Japanist」の販売を2021年に終了すると発表しました。もしかしたら、親指シフトキーボードのことを知らないという方もいると思いますので、簡単に親指シフトキーボードの歴史についてご紹介します。

親指シフトキーボードの歴史

「親指シフトキーボード」。富士通が開発した、日本語入力に特化した独自配列のキーボードです(Wikipedia)。

1980年に発売されたワープロ(ワードプロセッサー。文字入力専用のコンピューターのことです)「OASYS」でデビュー。当時、OASYSでキーボードによる文字入力を覚えた人は、その日本語入力の快適さと効率のよさから、パソコンに移行したあとも親指シフトによる文字入力を行なっていました。

1980年代から90年代、日本語ワープロによる文書処理能力向上を図るための「日本語ワープロ検定」が盛んでしたが、検定の上位にOASYSユーザー、つまり親指シフトキーボード使用者がずらりと並ぶということが当たり前でした。それほど、日本語入力にぴったりのシステムだったのです。

一度親指シフトキーボードの快適さを知ってしまうと、ほかのキーボードが使えないというほど、熱狂的なファンがいました。彼らの声を受け、富士通はワープロ専用機の開発終了後も、パソコン用の親指シフトキーボードを開発・販売してきました。

時は流れ、ワープロではなくパソコンから文字入力を覚えた世代が増えるにつれ、親指シフト入力を行なう人は減少。一部は通常のキーボードに乗り換える人もいましたが、多くの親指シフターは純正キーボードを使い続けてきました。そんな親指シフターたちの心意気に答えるように、富士通も親指シフトキーボードの生産を続けてきました。また、サードパーティからも親指シフトキーボードが発売されていました

しかし、親指シフトキーボードの生産数は減る一方。サードパーティ製もなくなり、最近では富士通専門店「アクセス」のみでの販売に。しかも、価格は3万円ほどと高価。故障したときのために予備として購入する人もいますが、やはりコストパフォーマンスという点においてはなかなか厳しいものがあります。

 

一部の親指シフターの中から、JIS配列(一般的な日本語配列)やASCII配列(一般的な英語配列)のキーボードを、独自の方法で親指シフト仕様にカスタマイズするという猛者も現れます。モバイル用親指シフトキーボードとして、PFUの「Happy Hacking Keyboard」を親指シフト仕様にカスタマイズするためのパーツを自作する人もいました。

親指シフトキーボードおよび関連ソフトの販売は2021年で終了

親指シフトキーボードがこの世に登場して40年。その歴史は幕を閉じることになりました。PS/2接続の「FMV-KB613」、USB接続の「FMV-KB232」は2021年5月に販売終了し、2026年6月にサポート終了。企業向けのノートPCカスタムメイドオプション「FMCKBD09H」は20201年3月に販売終了、2026年4月にサポート終了となります。

また、日本語ワープロソフト「OASYS」は2021年5月に販売が、2004年5月にサポートが終了。日本語入力ソフト「Japanist」は2021年5月に販売が、2026年6月にサポートが終了となります。

現役の親指シフターも、以前親指シフターだった人も、そして親指シフトを知らなかった人も、40年の間、日本語入力を支えてきた親指シフトに、そして地道に親指シフトキーボードおよび関連製品を発売してきた富士通に感謝を捧げましょう。

Source: 富士通 via PC Watch