私は阪神淡路大震災を5才の時に経験して、今でも苦しい思いをする事があるので、そうなってほしくないのと、今回の地震であちこちで<PTSD>と耳にするので、PTSDについて少しでも知ってもらいたいなと思い書かせていただきます。
PTSDとは、Post‐Traumatic Stress Disorderの略で、心的外傷後ストレス障害のこと。不慮の事故や 災害など、思いがけない体験が心の傷となり、後にその記憶が様々なストレスとなり、不眠や不安、悪夢や恐怖、無気力感などの症状をもたらすことを言いま す。特に子どもの場合、指をおしゃぶりをしたり、お母さんから離れないなどの「退行現象」が起こったり、暴力を振ったりという行動に現れることもあります。
PTSDは一般に事件後数週から数ヶ月の間にみられますが、ときには数年経ってから発症することもあり、次の3つが主な症状です。
フラッシュバックと悪夢があります。フラッシュバックは、衝撃的な体験の記憶がよみがえることで、悪夢には事件を再現するものと、内容を覚えていなくても、激しい不安に襲われるものがあります。子どもの場合、その体験を思わせる遊びや話を繰り返すこともあります。
<回避(逃避)症状>
恐怖体験がなかったと考えたい症状。恐怖体験を思い出させる事柄、場所や人を意識的あるいは無意識に避けたり、また、思い出せない場合もあります。そし て、現実感がなくなり、物事への興味を失い、無表情になる場合もあります。子どもの場合、ぼんやりと長時間過ごしたり、基本的な日常生活ができなくなる場 合もあります。
<過覚醒症状>
神経が興奮状態にあり、なかなか眠ることができず、やっと眠ることができても何度も目を覚まします。怒りっぽくなり、物事に集中できなかったり、過度の警戒心をいだくことがあります。
症状はなんとなく理解していただけたでしょうか?個人の性格、環境などによって症状は様々だそうです。
*子どもに安心感を与える
- 一人にしないようにし、家族で一緒に食事をしたり、遊んだりする。
- 抱きしめるなど、スキンシップをする。
- 悲しみ、怒り、不安を感じることは普通のことであると教える。
- 自分を責めている子どもには「あなたが悪いのではない」と話す。
- 「頑張って。」とか「我慢して。」ではなく、「守ってあげるよ。」「大丈夫だよ。」と言葉をかける。
- 楽しかった時の思い出を語る
*子どもが混乱している内容を整理する
- 苦しい思い出や不安が何なのかをしっかりと確認し、ごまかしたり一般化したりしない。
- 子どもが同じことを繰り返し質問しても、丁寧に答える。
*じっくりと子どもの気持ちを受け止める
- 子どもが話しているときは、目線を合わせ、目を見て、相づちを打ちながら、話をさえぎらないで、じっくりと聞く。
- 無理に聞き出さない。
*子どもに活動の場を与える
- 子どものペースに合わせて、スポーツなど友達とのコミュニケーションの場に参加させる。
- お絵かき、作文などで自由に気持ちを表現させる。
- 人の役に立っているという感情は前向きな気持ちにさせるので、負担にならない程度の手伝いをさせる。
大人も無理せず、できることからでいいんです。
大人が心的外傷を受けた場合、現実の体験を客観視することができますが、子どもは、衝撃を主観的に受け止め、精神を直撃するため、その影響が深刻になります。
大人が不安を抱えたまま子どもに対応していると、子供の症状が悪化したり、大人を安心させるために自分の不安や恐怖を押さえ込んでしまったりする場合があります。
でも今回の震災の場合、大人も子ども悲惨な苦しみや大きな不安を抱えていると思いますので、大人の方も無理をせず、自分のペースでできる事をしてもらえたらなと思います。
うまく伝わっているか不安ですが、一緒に乗り越えて行きましょう!