『安部公房とわたし』山口果林 | イタリアーナは人生を味わい尽くす!

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一気に読んでしまいました。


山口果林さんは、
私が25年間、今もお世話になっている美容院で2度一緒になったことがありました。


お見かけしたのは
本を読んでみますと安部公房さんが亡くなる2、3年前だったのかと思います。

美容室でタオルをアタマに巻いた山口さんの横顔が美しくて、
さすが女優は違うな、と思った記憶があります。


安部公房さんは、
山口さんのマンションで倒れられたと雑誌で読みましたが、どうやら事実だったようです。


先週も美容院に行ってきましたが、ある時から、髪を染めなくなり来なくなりましたね、今は真っ白じゃないかな、と言っていました。

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本によりますと、
山口果林さんは桐朋学園大演劇科在学中に教員だった安部公房と出会っています。
その後、NHK連続テレビ小説
「繭子ひとり」の主役に抜擢され女優として舞台、テレビで活躍。 
二人の関係は妻の知るところとなり安部公房は家を出て箱根の別荘へ。

山口さんは、私の以前の家だった杉並駅付近に住んでいましたから、箱根と杉並を行き来していたようです。


奥様とは離婚をして、山口さんと結婚したかったようですが、簡単に事は運ばなかった。
そりゃそうですね。
安部公房さんは、ノーベル賞をとるかもしれない人でしたから、
スキャンダラスは避けたいのは勿論ですし、奥様もきっと大切に思っていらしたはずです。


2、3年で終わるだろうと思って付き合い始めた二人、
結果、安部公房が亡くなるまでの関係に。


正式には夫婦にはなっていないけれども、実質的には山口果林さんとの時間がとても大切なものだったかと思います。

しかし、奥様のお気持ちを考えるといかばかりか。。。


最初から最後まで、正式なポジションではなかったゆえの辛さや大変さ、そして、
売れっ子女優ゆえ表立って何も出来ない。
それを乗り切ろうとする山口さんの強さに胸が痛くなりましたが
ふたりで過ごした時間が、
どんなに楽しく豊かであったかも読み取れました。


最近の写真もネットで拝見しましたが、
髪は真っ白でしたが
人間の色気、そして、深く生きた女性の色気を感じました。

オススメの一冊です。