ここは狩場マップの一つである砂原、そのエリア8と言われる場所を彼女は走っていた。
彼女…もといライーザはボルボロスとディアブロスの連続狩猟クエストを受注してボルボロスを狩ったのだが、ディアブロスにやられて力尽きてしまい、復讐のためディアブロスを探していた。
彼女は復讐心に燃え、ボルボロス戦の時には使わなかった、鬼人薬グレードと硬化薬グレードを飲み、ホットドリンクを飲んで準備万端でディアブロスを探していた。
「どこ行った?あいつ、私を力尽きさせたことを後悔させてやるわ」
そのままエリア9に行ってみる。
するとエリア9の奥の方にゆっくり歩いているのが見えた。
ペイントボールを手に持ち、ダッシュで近寄りそれを投げつけた。
ペイントボールはディアブロスの尻尾の付け根辺りに当たりはじけてピンクの粉をと匂いを霧散させた。
彼女の存在に気づいたディアブロスはこちらに向き直り、咆哮をした。
その瞬間周りを泳いでいたデルクスの群れが地面から飛び出て来てピチピチ跳ねている。
咆哮が止むとディアブロスは尻尾を振り回して来た。
ライーザは反応しきれずに尻尾に巻き込まれる…
起き上がったライーザはグラシュバリエをしまい距離を詰めた。
そして抜刀溜め切りを放つ…が、それはディアブロスの角に弾かれてしまい、ライーザはバランスを崩してしまった。
ディアブロスは砂煙りをたてながら地中に潜りこむ、ライーザは納刀し、ディアブロスが潜った辺りに音爆弾を投げた、するとディアブロスはもがきながら地中から出てきた。
チャンスとでも言わんばかりにディアブロスの背中側に回り込み、抜刀斬り、振り回し、溜め斬り、横殴りとグラシュバリエを巧みに操る。
そしてディアブロスが飛びたち、また降りてくる、そこに渾身の強溜め斬りが放たれる…するとディアブロスは足を踏み出し、耳が裂ける程の声で鳴きだした。
思わず耳を塞いでしまう…
「体がバラバラになりそうだわ」
再びグラシュバリエを構えなおす…がディアブロスの姿は無かった…
「どこに行ったのかしら?」
その直後、地面が揺れ、そこからディアブロスが飛び出して来た
とっさに大剣で防御をしようとするが、間に合わず派手に吹っ飛ばされてしまった。
すぐに態勢を立て直し、グラシュバリエを構えなおし、攻撃を試みるが、またしても潜ってしまった。
「潜り過ぎよ…こいつ…」
そして数秒後、地上に飛び出して来た。
ライーザの下ではない、ライーザのいる位置からかなり離れた場所だ。
「なんで私を狙わないの?」
次の瞬間、聞こえて来たのは悲鳴だった。
「なんでこいつがいるのよぉぉぉぉ」
「エリアス!? なんでこんなところにいるのよ!!」
「げっ…ライーザ…(汗)」
そう…エリアスだ、彼女もまたジャギィ討伐のために、ここ砂原フィールドに来ていた。
時はさかのぼること数時間前。
「ほら!急ぎなさい!早くしないとライーザに会っちゃうでしょ!」
「ヒィ…勘弁してくださいニャー」
「もっと早く走れないの!?」
「ガーグァではこれが最高ですニャー…」
「仕方ないわね…えいっ」
「グァァァァァ……ダダダダダダダ」
「何よ、こんなに早く走るじゃない…」
「目がまわるニャーーー毛をむしり取っちゃいけないですニャーーー」
「これならあと3時間もあれば着くんじゃない?(笑)」
「もぅめちゃくちゃなのニャーー」
こんなことがあり、エリアスはライーザには会わないつもりだった…が…ディアブロス討伐中のライーザの元に自ら出向いてしまったのだ。
「とにかく離れてて!エリアスの防具じゃこいつの攻撃に耐えられないでしょ!……ってもういない!」
エリアスを見失ったディアブロスはライーザに向かって突進して来た。
ライーザはそれを避けディアブロスに向かって抜刀斬りを放つ!
…がディアブロスがまたしても回転して来た、ライーザは大剣を盾代わりにして、攻撃を受け流した。
そして、溜め斬りを放つ!するとディアブロスは怯んだ。
すかさずグラシュバリエで振り回しをし、切り上げをした。その直後、エリア内に閃光が走った。
ライーザではない…そう、エリアスだ。
ディアブロスは閃光が走った時に後ろに向いていた為食らわなかった。
続いて2回目の閃光が走る。今度はディアブロスの目の前ではじけ、ディアブロスは目が焼かれ、尻尾を振り回している。
「エリアス!眩しいじゃないのよ!」
「ごめんごめん!」
ライーザはそれだけ言うと、ディアブロスにグラシュバリエを背中から取り出し斬りかかる。
エリアスは…もうすでに居ない
そして、ライーザが放った溜め斬りでディアブロスは転がった。
ライーザは大剣を器用に扱い、ディアブロスにダメージを与え…ディアブロスが起き上がると同時に、強溜め斬りを放った。
すると、ディアブロスは地面に潜りとなりのエリア10へと移動した。ライーザは砥石でグラシュバリエを研ぎ、回復薬グレードを使い体力を回復し、こんがり肉を食べて空腹を満たしたところでディアブロスを追いかけた。
ライーザはエリア10へと行ってみたが、ディアブロスの姿は無く、ペイントボールの匂いが下の方から漂って来た。
「エリア11で寝ているのね、捕獲しましょうか…」
エリア10の大きな亀裂から飛び降りて、地下にあるエリア11へと移動した。
案の定、ディアブロスは寝ていた。ライーザはディアブロスの足元にシビレ罠を仕掛けて、小タル爆弾を置いた。
その爆発でディアブロスは起き、足元にあった罠にかかった。
すかさずライーザは捕獲用麻酔玉をディアブロスに2個ぶつけた。
「ふぅ、やっと終わったわね…さてと…」
ライーザは何故かグラシュバリエを抜き、後ろを振り向き、切り上げをした。
すると…
「ギャーー」
「居るのはバレバレよエリアス!」
「いってて…こっちもクエストクリアしたわ」
「そう…お疲れ様」
帰りのガーグァの荷台にて…
「ところでエリアス、よく閃光玉なんか持ってたわね…しかも2個も…」
「えっと……その…あれは……ライーザのよ……(汗)」
「は?なんでアンタが私の物を持ってるわけ?」
「えっと……言っても怒らない?」
「ええ、怒らないから素直に言ってみて?」
「ライーザが前に狩猟で不在の時にこっそり忍び込んで、装飾品と護石を付け替えたんだけど、その時に、こっそり貰ったのよ~」
「アァ?今何て言った?(ニコニコ……ベキボキ)」
「(あ…ヤバイかも…)」
「どうりでスキルが弱まってるわけよねぇ?エリアス?」
「あったりまえじゃない!親切丁寧に付け替えておいてあg……(ガシッ)」
「しばらくの間、これの上に座っていて貰おうかしら…石は…10枚くらいで勘弁してあげるわ」
そういってライーザは木製の洗濯板を取り出した。
「そんな…まさか冗談d…ってもう縛られてる!?」
「ほら足と腰の防具外しなさい? 石が安定しないでしょ?」
「イヤだぁぁぁぁ」
こうしてユクモ村に着くまで、拷問が続いた…
村に着いたライーザは村長にクエストの報告をし、エリアスは一人、自宅で足の痛みを訴えていた。
続く…