食事をし終わり、お話をしているときに気になることがたくさんあった。
愛佳さんは何歳なのかな。
愛佳さんは何をしている方なのかな。
愛佳さんはどの辺に住んでいるのかな。
愛佳さんに恋人はいるのかな…。なんて
「どうしたんですか?」
「え?」
「なんか浮かない顔してたけど…」
「えっあっそんなことないですよ!」
「本当に何もないんですか?」
顔をグゥーと近づけてきて、目をジッーと見つめてきて逸らしたくないけど思わず逸らしてしまった。
「あ、逸らした。」
「だって…」
その瞳が綺麗すぎたから、なんて言えるはずがなかった。
「ふふ、なんでもいいから話しましょうよ」
優しく笑ってくるから、もう勢いで聞いてしまえーー!と決めて、質問することにした。
愛佳さんは20歳ということ。
まさかの同い年でタメで話そうとなった。
あと、「愛佳」「理佐」と呼ぶことにした。
愛佳は同じ大学だった。学部は違うから知らなかった。それと、アパレル店でバイトをしているらしい。
愛佳は私の隣町に住んでて、よくこの辺に来るということ。
愛佳は恋人がいないらしい。
内心すごく嬉しかった。
そして、連絡先も交換した。
また会おう。と約束もした。
その日から愛佳のことしか考えれなくなった。頭や心が愛佳で染まっていった。
連絡をとったり電話をしたり遊んだり時間が合う時は大学で一緒に学食に行ったりした。
愛佳と共に行動することと比例するかのようにどんどん“好き”が増していった。
この関係性が楽しくて幸せで次に進みたいと思っていても壊れるぐらいなら…という恐怖心があって次に進むことが出来なかった。
想いを伝えたりすることさえも出来なかった。
手を繋いだりハグをしたりキスをしたり、愛佳は冗談でしてきた。その度に胸を高鳴らす自分が嫌で恥ずかしくて愛佳のことを恋愛感情で見たくなかった。
そんなふうに愛佳のことで悩んでいた時に突然一通の連絡が入った。
それは講義が終わったら話があるから空き教室に来てということだった。
そこに駆けつけるともう既に愛佳の姿が見えて、入った瞬間の重苦しい空気に逃げたくなってしまった。
「愛佳…?」
「理佐、来てくれてありがとう」
いつもならたくさん話しかけてくるのに、今はなにも話し出さなかった。
ふぅーーと深呼吸をし私の目を見つめる愛佳。
あれ、この瞳…最初に会った時を思い出すな〜。
「ねえ理佐、私の事どう思ってる?」
突然の質問に私はすぐ答えれることなんて出来なかった。
“好き”その2文字を声にしたかったけど勇気の出ない私は俯くことしか出来なかった。
「私ね…理佐が好き。女の子同士で気持ち悪いとか思うかもしれないけど…理佐が好き。初めて会ったあの日から…。」
私は顔を上げ愛佳の方を向くと、泣きそうになっている愛佳。
なんで泣きそうになっているの?
「私も好き…!」
気づいたら目の前の泣きそうになっている愛佳を抱きしめていた。
「ぶつかったあの時に一目惚れしたの。でも勇気が出なくて想いなんて伝えることできなくって…こうやって愛佳が伝えてくれて嬉しい。」
「えっ、本当に…?」
まだ信じれていない愛佳が可愛すぎて自分から軽くキスをした。
愛佳と付き合うようになって、今までとは違う感情で手を繋いだりハグをしたりキスをしたり体を重ねたりした。
友達同士じゃなくて恋人同士。
あれ、私ってこんなに照れるの?
あれ、私ってこんなに笑えるの?
とか自分の知らない自分がどんどんと出てきたり。
あれ、私って冷たくないじゃん
あれ、私って人の事心配できるんだ
とか自分を見失うくらいに愛佳のことを想い、愛佳を優先したり。
自分のことを考える余裕すらないくらいに愛佳のことを好きになっていた。
続