誰にも言えなかった悩みを茜さんは聞いてくれた。
茜さんが私の話をしっかり聞いてくれて背中を押してくれた。
別れた日、たくさん泣いた。
理佐のことを考えると泣けてくるから考えないようにしてたけど、考えるのはいつも理佐のこと。
理佐に恋した地味な私が悪かったのかな。
やっぱり理佐なんかと釣り合うはずがないんだよ。
とか、自分を責めるしかなかった。
それでも、私は 渡邉理佐 さんが好き。
ずっと話したかった。あの日、私は理佐の話なんか聞かずに帰ってしまったから。
だから、私は、 もう逃げない。
あ、理佐だ。
志「…ッ …理佐ッ!!!!」
理「愛佳…」
志「理佐、話がしたいから、放課後屋上来てください。」
理「うん…」
初めて告白した時も屋上だったな。懐かしい。
私は、茜さんが言ってくれた「絶対大丈夫だから!頑張って!」という言葉を信じて、理佐に話す。
志「ねえ、理佐。別れるとき、理佐の話いっこも聞かず別れようなんて言ってごめん。ほんとはね、私ねまだ…」
理「私は愛佳が好き。」
志「えっ?」
まだ理佐が好きって言おうとしたら理佐に遮られた。
愛佳が好き…??
理「愛佳に告白されて、最初は遊びだったの。本当にごめんなさい。でもね、愛佳と付き合って、笑顔とか優しいところとかバスケしてるところがすごくかっこいいところとか、いつの間にか愛佳のことを好きになっててね、愛佳のいない生活が考えれないぐらい愛佳を…
志田愛佳を本気で好きになったの。」
ああ、ヤバい。涙が溢れてきた。
理佐も泣いてる。
思わず抱きしめてしまった。
志「あのね、理佐、私は入学した時から渡邉理佐が好きです。もう一度付き合ってください。」
理「…グスッ…お願いします…」
抱きしめる力を強くした。
理佐の手が背中に回ってきた。
私は少し離れて、理佐の顔を見た。
お互い泣いてるからひどい顔になってる…
それでも理佐はかわいい。美しい。
顔を近づけて唇を重ねた。
理「私ね、初めてなの。本気で好きになったの。今まで遊びで付き合ってて、昔の自分がすごい最低で嫌になった。昔の自分のせいで…愛佳を傷つけた。」
志「理佐の恋人だった人に理佐は遊びだって言われて、すごいショックだったけど…グスッ…やっぱりそうなんだ〜って。地味な私なんか理佐に釣り合うはずないんだよな〜って思ってた…でも、茜さんに背中押されて告白出来て付き合えれてよかった…グスッ…」
理「…グスッ…周りからどう思われたっていいじゃん。私は愛佳が好きで、愛佳は私のことが好きなんだから…愛佳は地味なんかじゃないし、ファンいっぱいいるから不安になるもん…」
志「…私ファン全然いないから。理佐のファンが多すぎて私もすっごい不安になるもん。」
理「今度からは、見せびらかそうよ…?私と愛佳がラブラブなところ。」
私が理佐に恋をしたことは悪いことじゃなかった。
私が、渡邉理佐 さんを好きになれてよかった。
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理佐が私のことを “好きになんて” なるはずがないと思っていた。
大好きだよ…理佐
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私が本気で “好きになんて” なれないと思ってた。
でも、愛佳のおかげで本気で好きになれた。
大好きだよ…愛佳
終