速読塾にたどり着くまで | Be freeなマイ日

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夫と別居して、10代子ども2人と一緒にのびのび暮らしを始めました。
日常の幸せとともに、離婚までの日々、病棟看護師・保育士を経て現在は児童デイサービス看護師の勤務を通して感じたこと、そして、ちょっぴりスピリチュアルな話も☆

 

(前回までのお話…

 

中学入学後に受けた発達検査で、軽度の知的障がいにあたる数値が出た娘S。

どうしたら娘の力を引き出せるだろうかと悩み、沢山の書籍を読んだり情報を集めたりする中で、母親の私が見つけたもの…それが「速読」でした。)

 

 

中学校生活で、授業にも新しい生活環境にもなかなか慣れず苦戦していたSが、もっと過ごしやすく生きやすくなるにはこれからどうしたら良いだろうか、と私が考えていた頃。

家族で東京に旅行をする機会がありました。

 

 

空港からホテルに向かう電車の中で、私と娘はそれぞれ本を読んでいました。

私の横で、娘は最初のページを開いた後、そこから長いこと微動だにせずにずっとそのページを眺めていました。

3分経ち、5分経ち、10分経っても同じページをじーっと見ており、次のページに進みません。

私は、なぜ次のページに進まないのだろう?と不思議に思い、横目で娘の様子をそっと伺っていました。

そうして、娘がページをめくった時、時計を見ると20分以上が経過していました。

その時に初めて、どうやら娘は文字を読むのがものすごく遅いらしい…ということに私は改めて気づいたのでした。

それまで、一緒に勉強をしていて読むのが遅いな…と感じることは時々ありましたが、正直ここまでとは思っていませんでした。

 

 

この時の光景は、旅行から戻ってきてからも私の頭から離れませんでした。

それくらい、私にとって大きな驚きで衝撃だったのです。

 

 

私はさらに様々な書籍を読んだり、情報を集めることに力を入れるようになりました。

娘に必要なのは単純に文字を読むのを速くする方法だけじゃなく、「脳」そのものに直接働きかけるような根本的なトレーニングなんじゃないか、とも感じて始めていました。

そんなある日、色々と検索している中で見つけたのが「速読塾」でした。

 

その塾ではただ速読を身につけるだけでなく、速読や記憶術を効果的に活用することで脳を鍛えて効率よく学力を高める、というコンセプトの個人塾でした。

しかも、そこはなんと偶然にも自宅から徒歩5分で行ける場所にあったのです✨

 

「これだあんぐり!!」

 

 

私はすぐにその塾に電話をし、塾長さんとお話をさせて頂くことにしました。

 

次の土曜日、私が一人でその塾を訪れると初老の塾長さんがにこやかに出迎えてくださいました。

そして、この塾の方針や学習の進め方、いかに速読が脳の活性化に有効か等について丁寧に話してくださいました。

それによると、

 

普通、小学校高学年から大人が1分間に読める文字数は400~600文字程度だけれど、ここで速読のトレーニングをすることで1年後には20000~25000文字読めるようになります。

つまり、それまでの50倍の速さで文字を読むことが出来るようになり、学校の教科書などは30分で1冊読めるようになる、ということです。

そうして、限られた時間の中でも教科書を繰り返し読むことが出来、相対的に情報処理能力が上がるので非常に効率的に学習が出来るようになるのです。

 

それが、その時塾長さんが話してくださった内容でした。

 

そんなことが本当に出来るんだろうか…と、正直にわかには信じがたい気持ちでいっぱいでした。

そんなことが出来るならまるで魔法のようだ、と思いましたし、それはもともと能力の高い人の話なのでは?とも思いました。

そして、塾長さんにSのこれまでの経過を正直にお話することにしました。

発達検査でIQが69だったこと。文字を読むのが極端に遅いこと。学校生活に適応するのも大変であること等々。

 

塾長さんは、しばらく考え込むような様子でしたが、

「わかりました。やってみましょう。

正直、娘さんのようなケースをお引き受けしたことがないので、どこまで効果があるかわかりません。それでも良ければ、私も出来る限りのことをしてみます。」

そうおっしゃってくださいました。

 

そうして、娘はその速読塾に通うことになったのでした。

 

 

つづく。