レンズの問題も解決し、一号店のオープンが落ちつき2号店、3号店もオープンをした。
それと同時に台湾全土からくる出店のオファーにも対応して行く。
わたしを何よりも悩ませたのが、
「資金繰り」だ。
一号店オープンが終わった時に、日本に帰る甲賀さんから渡された現金の小口。そして資金繰り表のファイル。
移動する交通費。
店舗で必要な備品。
給与。
商品の支払い。
嫌になる程支払いがある。
それなのに収入は売上しかない。
どんなに睨んでも、クリックしても、騒いでも、残高は増えない。
当たり前のことなのだけど、でもこの事実に愕然とした。
会社はどっかにお金があると思ってたけど、いやないのだ。
毎月月末ギリギリの資金繰りがされていた。
一つでも支払いを忘れるとショートする状態。
よく奥野さんに
「会社潰す気か」
って怒られてたけど、正直最初のころは脅されてるだけかと思ってた。
台湾でも売上が立ってくると、
日本、シンガポール、台湾で1日単位のギリギリの資金繰りを行うようになってた。
「はまち、月末日本に送金できる???3日には日本の入金があるから、そしたら戻すよ。」
「5日に大きな支払いあるので、それまでに戻してもらえばなんとななります」
この状況にわたしはやっと
「オンデーズ本当にシャレじゃなくてお金ないんだな」
と実感させられた。
しかしどんどんくるオファー。
このチャンスを逃すと次出店できないのではないかというプレッシャー。
店舗を拡大できるというワクワク。
これには、社長もわたしも欲望を止められなかった。
毎週月曜日に行われるWeb会議でオファーの報告をすると、
「はまち出店費用はどうするの?台湾だけではまだ資金回せてないのに、会社倒産させる気??」
会社にお金がない、どうしたら出店できるか?
私は台北市内にある紀伊国屋に行き、
財務
資金繰り
キャッシュフロー
などと書かれてある本を読み漁った。
本当にわからなかったし、正直読んでもわからない言葉がたくさんあった。
ただわかったことは、支払いはなるだけ遅く、入金は早くするということ。
今思うとそんなことも知らなかったのだ。
今まで、取引先の条件だけを鵜呑みにしていた私は、支払いサイトを伸ばせないか?分割に出来ないかなどの交渉を始めてみた。
備品の支払いなどもネットで購入していたものを、業者を通して支払いをその場ではなく、月末締めにしてみる。
本当に基本的な当たり前のところから少しずつ改善をしていった。