風評被害は少なからずあるだろう。
マスコミの報道は中立だと思うが、やはり火山や箱根の知識のない人にはどうしても正確に伝わりにくいのかもしれない。
しかし、震災以来風評被害という言葉がいたずらに発せられ、アレルギーを起こしているのもいなめない。
過剰な反応を抑えるため箱根市民と支援者は反・風評被害で立ち上がり箱根の価値を落とす発信を全てバッシングしている。
一方で、根拠をもって不安を覚える人達はそのバッシングが不当だと主張する。
それをはたから見たらどう感じるだろう。中には危険性の主張は風評だと無視する人もいるかもしれないが、恐らく殆どのひとは困惑するだろう。
特に震災以降風評被害という言葉が乱発されたために風評被害という言葉に怪しさを覚えている人も沢山いる。
公の公表は本当に真実なのか。疑いを持ち始めた市民にとって一方的に対する論を批判することは嫌われる傾向にないだろうか。
そうなると地元は生活維持の手段としての商売だと意識したときにその言葉に疑いの目を向けてしまう。
そう、風評被害の払拭に奮闘することこそ風評被害を助長してしまう側面があるのではないか。
私は風評被害があろうがなかろうが関係はないと思う。
何故なら火山学はまだ何も答を出せないのだ。
火山がくはまだ1世紀あまりの歴史で、計器を付け出して数十年。
地面の中を正確に把握はできないし、いつどうなるかも手探りを始めたばかり。
だからこそ誰も断定して言えないのだ。
中には自分の主張だけが正しいという人がいるかもしれないが、あくまでもわからないのが現状。
とりあえず大涌谷で目立った変化を見ているが大涌谷だけが危ないのかも、噴火するのかもしないのかも、規模も時間も何もわからないのが真実。
確かに研究施設はありますよ。
箱根の人びとが生まれてから何度も経験した地震で、よくあることとは思いますよ。
しかし、そんなのは地球の長い歴史の一瞬にしか過ぎず、論拠にするには乏しい。
私は別に不安を煽りたいわけではないし、そこまで不安視をしているわけではありません。
私なら空いてるだろうこの時期に行きたいとも考えてしまいます。火山の知識を持っているからこそそう思えるんですが。
しかし、だれも風評なのか違うのかさえも断言できない。
それ故に大切なのは何なのか考えてほしいのです。
もちろん日本の大切な文化である温泉産業などの観光産業の存続とその従業員の生活を守ること。これは重要でしょう。
しかし、あくまでも接客業です。本来は第一にお客様の満足ではないでしょうか。
せっかくの保養に訪れた地でいつ火山の噴火に見舞われるか、本当に安全なのか、不安をもっている人の事を思うのが筋ではないだろうか。
ネガティブな情報を発信するなとなると客としてそんな企業を信用できますか?
そんなことを繰り返していてはいつか温泉地は危ないと印象付いてしまいかねません。
火山はあくまでも危険なところです。
そう前置きをした上で
現在危惧されている事態の他にも~~のような事態に陥った場合でもお客様の安全を確保できるように万全を期して~~のような緊急施設の充実と安全な避難の訓練をしており、滞在中は心置きなくおくつろぎいただけるよう街を上げて取り組んでおります。今は~~付近は警戒地域となってご利用いただけませんが、こういう魅力でお楽しみいただけます。
なんて言ったら火山が危ないという前提も気にならなくはならないでしょうか。
むしろ客の安心と快適を追及しているという付加価値が魅力にもなるかもしれません。
風評被害でこうなってるだけだから安心して来てください!とは見えかたがちがうと思います。
しかしそれでも火山性地震や隆起などから危険の度合いが高まっているとの判断は当然あり、それを根拠に避ける人も当然出るでしょう。
目的の観光地が行けないから避ける人もいるでしょう。
そんな事態になってはやはり損害がでるでしょう。
しかし、火山はそんなことお構い無しに日本の各地で今も少しずつ準備をしているのかもしれない。
だからこそ、観光業に携わる方々にはそうなったときの準備をしてほしいと思う。
当事者ではないので詳しい内部の事情はわからないけど、旅館なら部分営業にして人員を減らしながらも、従業員の負担にならないような何かを考えてもらいたい。
当然当事者だけではどうにもならないでしょう。
だからこそ、余剰を用意したり相互制度を地域や同業者とできないか。国や自治体も適切な補償制度や保険制度をつくれないか。一時的に離れる従業員が短期で仕事ができるような支援はできないか。
つまり、経営者には火山に負けない経営力を。公にはどうしても超えられない問題を支援する体制作りが必要だと思います。
いちいち火山の活動を感知する度に全国の火山の町はつぶれるかどうか瀬戸際に追いやられてはそんな産業はいつかなくなります。
観光産業の問題だけではなく、日本の大切な文化を守るためにも国全体で取り組むべき課題なのではないでしょうか。
風評被害かいなか。そんなことはどうでもいい。
問題はそんな危うい観光業の実態を少しでも改善する。
その出発点にしてもらいたい。
このピンチをチャンスに変えるために。
昔はこんなことを考えなくてもよかった。
資本主義経済にどっぷりつかった故に起きた弊害ともみえる。
昔なら経営難でつぶれるなんてなかったろうに。
火山で客がこなけりゃ別の事ができたろう。
また落ち着いたら温泉やろーって気運が高まってさ。
昔からの伝統と違いを見つめ今の弱点をしっかり把握して対策しないと本当にこの文化を終わらせてしまいかねない。
箱根の人が可哀想という感情論ではだめだ。
あの素晴らしい箱根の街を、人びとを守るため。
風評被害に負けない、みんなが本当の意味で安心して訪れられる街に変えようではありませんか。
