秘密って、
誰かに言いたくなるもの。
誰も知らない。
あの人しか知らない。
私しか知らない。
こういう言葉を聞くと、
それがすごく価値のあるものになって、
それを知っている人は、
なぜかちょっと優越感を感じる。
秘密って、媚薬みたい。
私は、1年前くらいに
秘密を先輩にバラされて、
好きだった職場を離れることになったわけだけど、
そりゃ、その当時は、すごく怒りを覚えていた。
今も考えると、なぜ?と思うことばかり。
時々そのことを考える時がある。
なぜ、バラしたか。
秘密は秘密でも、
バラして害がないもの、
バラすと害があるもの、
もう子供じゃないんだから、
それぐらいの判断はつくだろうに。
秘密を誰かと共有したくなるのは、
いくつになっても同じかもしれないけど。
今日も、なんとなくそのことを思い出して、色々考えた。
今日たどり着いた答えは、
先輩が高校生のような心を持っているのだろう。
という答え。
大人なら、とずっと思ってたけど、
じゃあ、もし考えが大人ではなく子供なら?と。
そうすると、すべてスッキリする。
高校生って、
自分が気に入らないことがあると、
仲間を作り、
自分が正しいと言ってくれる人たちを集め、強くなろうとする。
一人では立ち向かえないから。
そして、大勢で、
「それ、悪いよ!」って言う。
ああ、そういうことか、と。
あの人は、そうだったんだ。
私の秘密を、
あの人は認められなかった。
ありえないことだと思った。
私をバカだと思った。
そして、そのことを誰かと共有したかった。
もちろん、旦那さんにも話しただろう。
だけど、それだけじゃ足りない。
誰に話せば、共感できる?
そこでたどり着いたのが、
元同僚。
私のことを知っていて、
私と働いたことがあって、
私と話したことがある。
そういう人に話すのが、
一番話が盛り上がるからね。
きっと、それで軽い気持ちで話したんだろうなぁ。
それが大問題になったわけだけど。
バラした犯人が先輩だと教えられ、
怒りもあったけど、
裏切られたショックのほうが
何倍も、何百倍も、大きかった。
私は、心のどこかで、
あの人じゃない
と思っていたかった。
何か事情があったんだ
と思っていたかった。
子供の時に裏切られたことなんて
そんなに覚えてないけど、
大人になって、
友達は選ぶべきということを学び、
信頼できると選んだ友達に裏切られると、
ものすごく傷つく。
ああ、私、先輩のこと、本当に好きだったんだなって思った。
信頼してた。
大好きだった。
だから、他の人に裏切られるより、
うんと傷ついた。
たくさん泣いた。
悔しかった。
先輩から、本当のことは聞かされていないから、
真実はどうか分からないけど、
まったく連絡をくれなくなったことから、
そのことを肯定しているようにしか思えなかった。
今でもショック。
できることなら、
前みたいに戻りたかった。
違うよ犯人じゃないよって言って欲しかった。
真実を知るのが怖くて、
私は今も身動きが取れない。
いつか、また笑って話せる日は来るのかな。
私が時々思い出すように
先輩も私を思い出すことがあるのかな。
あれから、
秘密は誰にも話せなくなった。
誰も信じられないというより、
誰かを信じて信頼して
裏切られることが、本当に怖くなった。
だから、信じないように、と思ってしまう。
いつか、私のこの記憶が
年とともに書き換えられ、
いい記憶になるといいなぁ。
一番いいのは、
そのことが、事実じゃないという真実。
たまに、ものすごく会いたくなるから。



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