前から読みたいと思っていたのよね、これ~
お母さんのオススメなのです
嗤う伊右衛門/京極夏彦
無口で無表情な武士らしくない武士、伊右衛門
着丈だかで美しい、岩
悪辣非道な与力、伊東喜兵衛
その他、宅悦、直助、又市、袖、梅、、、
一人一人の物語がどこか繋がって
思わぬ因果となっていく
登場人物の名前を見れば気づく人もいるかもしれないけど
「四谷怪談」のお話を元にしているこの小説。
鶴屋南北の『東海道四谷怪談』が有名だけど、
元々は伝承みたいな怪談話をお話としてアレンジしてあるのが鶴屋の『東海道四谷怪談』だそうで
これまでにもいろんな人がいろんな「四谷怪談」を書いています。
私は他の「四谷怪談」読んだことないからわからないけど
伊右衛門と岩の悲劇というのは共通の結末だそうで。
恋愛ものの純愛悲劇っていうと
私は結構「ロミオとジュリエット」を思い出すんだけど
(みんなそうかな?)
『嗤う伊右衛門』に関しては、純愛悲劇でも「ロミジュリ」とはかなり分類が違うように感じます。
個人的には「ロミジュリ」よりも「伊右衛門」のほうが好き。
「ロミオとジュリエット」は、わかりやすい「好き」の表現というか
お互い愛し合ってるのはわかるんだけど、
普通の人たちってこんなに愛を表現するのだろうか
ホントに心中しようなんて思うほど愛することってあるのだろうか
って思ってしまうのよね・・・
(少なくとも私は)
それに対してこの『嗤う伊右衛門』は
愛の表現が乏しかったり
伝えたいのに伝わらなかったり
自分の外見を気にしたくもないのに気にしたり
人間的な表情がいろんなところににじみ出てて
どこか共感できるようなところがあるように思える作品。
すっごい面白かった!!
もっと早く読んでおけばよかったな~ってつくづく思う(>_<)
この本、「泉鏡花文学賞」っての受賞してるらしくて
泉鏡花好きの私としてはお気に入りになること必須なのでした。
妖怪とか怪異とか
非科学的なものが好きです
そーゆーの好きな人にはホントおすすめです
京極夏彦さんのは怪異もの多いんだけど
家にあるの少ないから、また古本屋で漁ってこようと思います。
ちなみにちなみに。
私のお母さんの同級生が京極さんとお友達だそうです。
結構年齢いってるおじいちゃんかな~と思ってたからびっくら。