みさの小劇場ウオッチ日記


公演期間 2013/02/06(水) ~ 2013/02/11(月)
会場 ミニシアター1010
作曲 山口琇也
脚本 ハマナカトオル
演出 中本吉成
料金 5,000円 ~ 5,200円
サイト http://www.musical-za.com/

ミュージカル学校を卒業したかつての同級生9人が、当時の夢だったミュージカルをやりたい!という信念のもと、倉庫でミュージカル製作を始めるも、それぞれの事情により、一時的に挫折する。しかし、これらを克服し、彼らの夢であったミュージカルを作り上げるまでの物語。


「ミュージカルは、自分たちでつくろう。」というミュージカル座創立の発想が、この作品にはつまっているようで、この舞台にかける意気込みのようなものがジンジンと伝わってきた舞台だった。コメディあり、涙あり、そして温かみのある物語で9人の中の誰かが生きることに行き詰ると、誰かが手を差し伸べながら一緒に克服していく場面が散りばめられていた。夢を描いた物語だったが、同時に「生きる」という人間の根本にも着眼点を置いた、真摯な内容だった。


下半身不随のロミ(水野貴以)を登場人物に設定したことで、この物語を引き締め、ひじょうに有意義だったと思う。9人の中の誰かが、たとえ不幸になったとしても、ロミの現況を考えれば、これほどの不幸はないという対比も含め、人生観までも映し出した素晴らしい舞台だった。


それでいて、決して湿っぽい流れはなく、公演そのものがコミカルで楽しく描写。図書館員のじゅん(太田智子)も図書館員らしく見られたし、じゅんの生い立ちにも泣けた。そして、じゅんの「今日はいい日だった」という一言に含まれた彼女なりの想いに一層、泣ける。


そうして、全員で合唱するコンチェルト―協奏曲の数々。美しい歌を聞き入りながら、どんなに感動したことか。特に、ソラ(小此木麻里)の歌う「I love you あなたが好きよ。」の美声は、まるで天使の声。これでヤラレ、ワタクシ、昇天しました。いい。