みさの小劇場ウオッチ日記

公演期間 2012/12/12(水) ~ 2012/12/16(日)
会場 てあとるらぽう
脚演出 鈴木真理子、平野智子
料金 1,000円 ~ 4,000円
サイト http://tomoepro.webnode.jp/


大金持ちだけれど、けちで頑固でひねくれ者のスクルージはイヴの夜に、かつての仕事の相棒マーレイの亡霊が現れる。強欲だったマーレイの体には死後の罰として長い鎖が絡みつき、苦しんでいた。彼はスクルージに「あんたの鎖は私より、もっと長く重い。でも、あんたにはまだ希望がある」と忠告し、そして今晩三人の精霊が現れると言い残し去って行った。


現れた最初の精霊はスクルージの少年時代、まだ純真で周囲の人々から愛されていた過去の世界へ彼を誘う。二番目の精霊が見せたのはスクルージが生きる現在の世界。彼の使用人の家族と唯一の身寄りである甥の家、思い思いにクリスマスを祝う多くの家々。そこには貧しくとも心豊かな時間を過ごす人々の姿があった。最後の精霊はある男の未来を見せる。誰も愛することなく誰にも愛されなかった男の死を悲しむものはいない。精霊に導かれ死んだ男の墓をみるスクルージ。墓碑に刻まれた自分の名に彼は恐怖と繊悔の涙を流し、これを悔い改める。


この時期になると必ず、この物語は演じられ、毎回同じ場面で涙が溢れてしまう。本当に素晴らしい戯曲で古典的な作品だと感心する。この舞台はストーリーはそのままに、そして俳優とマペットによって繰り広げられるキュートな歌入り芝居だった。だから観劇年齢は幅広い。子供から大人まで楽しめる楽しい舞台だ。またスクルージ役の倉石功がとても素敵だ。そしてマペットを操る黒子がそのまま人形の後ろで表情豊かに演じるので、マペットと同化して、まるでマペットに血が流れ込み生きてるように表情豊かに見えるのだ。


更にその数々のマペットたちが日本版「セサミストリート」を観ているようで、そこも楽しめた。元同僚のマーレイが等身大のマペットで登場し、鎖に繋がれている情景は大迫力で見ごたえがあった。裏でこれを操る二人の役者。歌もいい。マペットミュージカルとでも言おうか、観た人を幸せにする舞台だった。


惜しむらくはスタッフの対応が悪かったことだ。高速バスが渋滞により到着時刻を45分ほど遅れた。通常なら開演30分前に入れたはずが、開演から7分ほど遅刻してしまった。その際、ワタクシをドアまで誘導したものの、入れたら放りっぱなし。暗い劇場に入ったものの椅子の用意がない。当然、、暗くて身動きが出来ないので、また受付に戻り「誘導してください」とお願いしたほど。そこでやっとペンライトを持ち出して椅子を用意するも、今度はパンフレットがない。苦笑!とことん気遣いのないスタッフでした。