みさの小劇場ウオッチ日記


公演期間 2012/12/07(金) ~ 2012/12/09(日)
会場 北池袋 新生館シアター
脚演出 石山英憲
料金 2,500円 ~ 2,800円
サイト http://www.gekidango.jp

とある大学の映画研究部の真っ暗な部室になだれ込む男女。どうやら、女子が誘い出しやる気満々で、男子は「先輩、まずいっすよ、先輩・・」などと二人の声だけが聞こえる。この序盤の見せ場が上手い。ここで一気に物語にのめり込む。しかし、なんとなく、怪しげな人影を感じた男女は電気を付けてみることに。すると、半裸状態の男が一人、床に倒れ込んで死んでいた。これが7回生の岩崎(朝倉治永)である。


しかし、岩崎は自己愛が強すぎてウザがられ映画サークルの後輩から嫌われていた。そんなこともあって、後輩たちは死因を探るも、コンビニへ食料を買いに行く者、談笑する者が続出し、死体を横目に騒ぎまくる。しかし、恒例の夏合宿の作品を巡って、どうするかを話し合った矢先、岩崎の後輩を思う一面が浮かび上がるのだった。


一方で強迫性障害の室井(杏泉しのぶ)は岩崎が提出していた原稿「ワイルド王子と看板娘」以上の作品を書けない。パニクル室井を尻目に、やっと眠りから覚めた岩崎は「この部室で起こった今までの出来事を舞台化すればいいんじゃね?」とホザク。死んでなかったのだ。笑


自己愛性パーソナリティ障害の岩崎と強迫性障害の室井の、我儘な二人の先輩に振り回されたコメディ劇。役者がいい。特に朝倉治永が頑張る。ぽんぽこりんのお腹を出して歌ったり、踊ったり・・と恥じらいが、一切ない。役に徹するその姿は潔く、むしろ、清々しさを感じたほど。


見応えのある舞台でした。お見事!