公演期間 2012/11/30(金) ~ 2012/12/02(日)
会場 小劇場 楽園
出演 大須賀純(マウスプロモーション)、市来光弘(マウスプロモーション)、宮内勇輝、真帆、篠原友紀、工藤優太、清水洋介
脚本演出 フルタジュン
料金 3,000円 ~ 3,200円
サイト http://dn-e.jp/ssgetback/


青春ゲットバック!とは…ボイスドラマ+舞台でボイスドラマとして全20話を番組サイトURL(http://dn-e.jp/ssgetback/ )で順次配信し(全部で4時間程度らしい)最終話となる第20話のみを舞台篇として上演したものだ。いあ、なんだかんだいっても、「あいのり」みたいな企画だった。


旅行会社が企画した国内横断の「青春追体験ツアー」。青春を満足に過ごせなかった「ロスト青春」な人達が参加するツアー企画で寝食可能なキャンピングカーに乗せられた見ず知らず6人の大人たち+運転手が主役だ。ワタクシはボイスドラマのほうは聞いていないが、舞台版だけでも充分に解りやすく構成されていた。こんなところは流石、フルタなのである。


ただ、青春ってなんだろうか?と気になった。恋をしなければ青春と呼べないのだろうか?あるいは片思いなら青春なのだろうか?スポーツに身を投じ熱い志を持つことが青春?


サミエル・ウルマンのいう、「青春とは人生のある期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。 年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いが来る。歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や狐疑や、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ、あたかも長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。曰く、驚異への愛慕心、空にきらめく星辰、その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰、事に処する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる、人は自信と共に若く恐怖と共に老ゆる、希望ある限り若く失望と共に老い朽ちる。大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして偉力の霊感を受ける限り、人の若さは失われない。 これらの霊感が絶え、悲嘆の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを堅くとざすに至れば、この時にこそ人は全く老いて、神の憐れみを乞うる他はなくなる。」・・とご立派な論理をぶちかましてるわけだ。笑


そしてウィキペディアに至っては「青春とは生涯において若く元気な時代」とある。だとしたら、ここに登場したキャラクター達は何の意欲もなく、ただただ死んだように生きてきた人たちだ。そして自ら何も行動に移すことなく、何の努力もしないまま、それでも青春に憧れた人たちだ。更に旅行会社の企画に乗っかって、他人に依存しながら青春らしきものを体験したと勘違いしている人たちだ。だから擬似青春に満足し、屈折していた自分をあたかも青春ゲットバックできたと思い込んだ人たちだ。


要は、青春は追体験できるものではなく今から青春すればいいものを過去にしがみついてこじんまりと追体験できた!と彼らは喜んでいるのだ。しかも6人の参加者には旅行会社が用意した、その時々にドラマチックに現れる人物を仕込んでいたりする。


つまり6人の滑稽なナンセンスドラマだったと思うのだ。そういう意味では喜劇である。