みさの小劇場ウオッチ日記

公演期間 2012/11/22(木) ~ 2012/12/02(日)
会場 サンモールスタジオ
脚演出 キムラ真
料金 1,000円 ~ 4,900円
サイト http://naikon.jp


うだつの上がらないお笑い芸人トリオは解散の危機に陥る。そして1995年1月淡路大震災の復興支援活動に行った大村直人ことおーちゃん(藤原祐規)は笑いこそが人々を癒し元気にさせると気づいたことから、とある病院のクラウン(ピエロ)となって子供たちを元気にさせようと思いつく。「笑いから得る免疫効果」を信じ、病める人々の為に、彼は赤い鼻をつけておどけてみせるのだった。


人を笑わせることに人生をかけた元芸人がクラウンとしての活動を通して現実に向かい合いながら、院内では様々な反発に出会う。しかし挫折の末に見つけた自分の居場所での活動は時間が経つにつれて評価され、そして、その噂はこの院内だけに留まらず、ケアクリニックとして、日本で最初の評価をされるのだった。難病の治療と向き合う子供達の「笑顔」を取り戻す為にクラウンが奔走しながら日本での医療とケアクリニックの、環境を整え形にした物語だった。


序盤、大村がクラウンをやりたいと病院訪問をするところから引き込まれ、感情移入して観られた。あんなに元気だった難病の子が死ぬシーンでは号泣し、大村の相方・広瀬(キムラ真)が大村に語るシーンでは、彼への励ましが凄く眩しくて、悲しい場面でもないのに涙が溢れ出た。この時、ワタクシの座った場所が廣瀬に被って大村の背中しか見えなかったので立ち位置を考慮してほしい。

 

このように泣き所が随所に散りばめられ、両手じゃ足りないくらい、ウルウルした。そのウルウルは嘆きや苦悩の種類ではなく、キャラクター全員の愛情や優しさ、爽やかさの類だった為、最終的には明るく、とても清々しい気分で居られた。またクラウンの活動を手助けする医療チームも愛情たっぷりで、素敵な相互作用となっていた。


主役の大村の魅力的な人物像を、藤原が朗らかな演技をしていて好感が持て、また、これに関わる医師達が、それぞれ個性的で、抜群のキャラ立てをしており、そこそこ気味わるかったり、そこそこプチカッコ良かったりと、人間味や温かみを存分に演技していたのも良かった。


田中親子は純粋で、清らかな演技で、そのまっすぐさに感動し、村松昭二役の佐藤はヒーローショーで、はあはあ・・ぜいぜい・・していて笑えた。笑
またワンピースネタやディズニーネタで笑いを引き込む場面もありで、全体的に楽しめ勇気づけられた舞台だった。観た後に清らかな気持ちになれるっていいよね。