みさの小劇場ウオッチ日記

公演期間 2012/10/31(水) ~ 2012/11/4

会場 Geki地下Liberty
脚本演出 青木哲也
料金 3,500円 ~ 4,000円

サイト http://www.3farlong.com/

有名なガ-ディナーが設計したことで人気を得た樹林墓地。この墓地に見学ツアーと称して「大珠の主霊園」にやってきた人々のお話。墓地とか骨とか、死んだとの事はどうでもいいと考えてるワタクシにとってはあまりピンとこない内容。むしろ海に散骨とか桜の下にでも埋めて。という内容の方がリアルに感じる。苦笑!


しかし今回のお話は自分たち夫婦、あるいは母親を、競争率20倍を超える「合歓の木」の樹林墓地に埋葬しようと考えたツアー参加者が巻き起こす、たぶんコメディ。たぶんと書いたのはあまり笑はとれてなかったから。


お墓に埋葬するにあたっての個々の家族関係の事情が浮き彫りになってくる。嫁姑問題、異父兄弟、子供を作らなかった夫婦、そしてツアーガイドの不倫相手との問題などを織り込みながら、家族をテーマにした物語。


終盤に霊園の営業部員である草間(垣内あきら)が、「30歳前後の夫婦に小さな女の子の家族がお墓参りに来ていた。やがて女の子は大人になって結婚することになり、ちょっとヤンチャな兄ちゃんが『幸せになれるようがんばりま~す!』と手を合せていた。お墓は嬉しそうだった。」という行はすごく素敵な内容で胸にジン!ときた。


一方で江原夫婦のお墓に対する気持ちがそれほど切実に感じられなかったこと。来栖夫婦の妻の行動があまりにも突飛だったところに違和感を感じた事。ガ-ディナーの態度も、もうすぐ死ぬという今泉さんの行動もイマイチ、ピンと来ず異質だったこと。全体的にコメディ部分にパンチが足りなかった事。これらがひじょうに気になって物語に入り込めなかった。


しかしながら植木職人がこの世の者ではないという設定は面白かった。そして幕直前で登場するカップルにはこの植木職人が見えて、2人の死を予知する展開はファンタジーすら感じた。