みさの小劇場ウオッチ日記

公演期間 2012/10/24(水) ~ 2012/11/04(日)
会場 OFF OFFシアター
出演 長尾長幸、杉元秀透、(以上劇26.25団)、浅利ねこ(ぬいぐるみハンター)、加藤ちえり、加藤なぎさ、菊妻亮太(THESHAMPOOHAT)、須藤真澄、住吉梨紗、中澤功(サモ・アリナンズ)、林佳代、星原むつみ(東京タンバリン)
脚演出 杉田鮎味
料金 2,000円 ~ 3,000円

サイト http://25dan.com/


舞台は町の弁当屋。夫を殺した妻・茜(中澤功)の記憶を操作させる「殺したのは政美(浅利ねこ)の異母兄の古賀尚之(長尾長幸)だと思い込ませる」ことによって、政美と古賀が政美の家族を守ろうとした物語。


相変わらずキャストらの演技が上手く、台詞の可笑しみがまっすぐ伝わってきて自然に笑えた。塔子(星原むつみ)の、粗雑だけど仕事をしっかりこなしてサバサバした態度や言葉が的確で、どんどんカッコヨク見えてきた。政美の初々しい中学生役を演じたのが浅利ねこ。ねこの中学生役を見たのは初めてだったが思春期特有の女子声や、家中での態度はまさに中学生だった。こんな感じのねこもいいなぁ。


冴子(須藤真澄)&楓(菊妻亮太)親子のそれぞれのズレっぷりも秀逸で楽しかったし、リー(林佳代)の中国人キャラクターが抜群!リーの吐くセリフや行動がエネルギッシュで相当笑った。また直情的でオモチロクて目が離せなかったよ。担任(加藤ちえり)といい、桐渕(杉元秀透)といい、個性的なキャラ立ては流石。


一方でモヤモヤして消化不良だったのは、古賀の、罪かばいだての動機が弱かったことだ。もっと政美か茜への愛情エピソードあれば、納得できたと思う(血縁者を重視してないと言ってたので)。そして、桐渕と政美の関係は結論としてどうだったのか?桐渕は変態と片付けていいのか?それとも政美は援助交際まがいをしていたのか?あるいは桐渕の政美への気持ちを政美自身は感じていたのか?更に茜の殺人理由、古賀の行方が明かされないラスト(自首するのか、逃げるのか、死ぬのか)が気になった。


まあ、このモヤモヤしたラスト、観客へ投げっぱなしの残り感が劇26.25団の味といえばそうなのだけれど・・。終盤で明かされる政美の登校拒否の原因が身につまされた。