みさの小劇場ウオッチ日記

作・演出/井上僚章
2012年10月24日(水)~28日(日) 下北沢駅前劇場
前売り/3000円  *当日/3500円 

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5年前の公演の再演。当時、山崎あかねが妊婦役で出演されておりましたが、彼女は朝、楽屋入りしてからホンモノの陣痛が始まって主宰が病院に運んだという実に懐かしい思い出です。今回は彼女の娘のなごみちゃんがお母さんと一緒に舞台に立っています。

教会での物語。脚本は殆ど変っていないように思えた。教会で育てている孤児を引き取りたいという、3組の夫婦が名乗りを上げてそれぞれの子供を一人ずつ引き取っていくが、その3人の子供達が姉妹だった為に、長女の亜矢は、思い悩む。 養父母はとても可愛がってくれるけれど、やはり姉妹3人で一緒に居たいと言う切実な思いから、それぞれの養家を脱走して姉妹3人は教会に逃げ込む。


3組の夫婦は教会に探しに来てそれぞれを連れ戻そうとするが、長女の亜矢が3組の夫婦を説得するシーンで前回同様、泣けた。しかし、前回は亜矢演じる渡辺舞の、生きながら引き裂かれるような演技力と、その儚げな容姿に多大な同情心が移入して号泣したが、今回の亜矢役、小野彩子の演技力がそこまでなかったのがすこ~し残念。


終盤では、熟考した3組の夫婦も教会で暮らすことになる。これってこれからの日本を予知してるようで、11月3日(土)公開の映画 「みんなで一緒に暮らしたら」 (世界的な高齢化社会という世相を背景に、晩年を迎えた老人たちが共同生活を始める姿を、ユーモアとともに描いた作品)と、どこかしら繋がっているのではないかなぁ。


もう老舗の劇団なので、団員達もそれなりの年齢にはなっているが、役者としての良い味が出て、人生を歩んできた年輪が深みを増した演技力となっている。そして脚本に描かれる年齢設定が実にしっくり収まっている。 また次回も観てみたい。