みさの小劇場ウオッチ日記

期間 2012/03/22(木) ~ 2012/03/29(木)

会場 アトリエだるま座
出演 坂東七笑、松生綾美、荒井涼子、中山唯、野沢美喜(ミュージカル座)、高向弥生(フリー)、せいのゆみ(フリー)、はとりれい(東京アンテナコンテナ)、仲地智子(東京アンテナコンテナ)
脚本 清水邦夫
演出 村上秀樹(回転OZORA)
料金 1,600円 ~ 2,700円

サイト http://www.daruma-za.net/




楽屋。亡霊になった女優Aと女優Bが楽屋で念入りに化粧をしながら、永遠にやっては来ない出番にそなえている。今上演中なのはチェーホフの「かもめ」。主役のニーナ役の女優Cが楽屋に戻って来ると、プロンプターをつとめていた女優Dがパジャマ姿でマクラを抱えて現れる。


女優Dは精神を病み入院していたが、すっかりよくなったから、ニーナ役を返せと女優Cに詰め寄る。言い争いになり、女優Cは思わず女優Dの頭を花瓶で殴ってしまう。女優Dは起き上がってふらふらと出て行くが、女優Cが楽屋を出ていった後に戻ってくる。今度は亡霊のAとBが見えている。打ち所が悪く死んでしまったようだ。ニーナ役が欲しくて精神異常になった若い女優がまた一人死んだ。


3人になった楽屋の亡霊は、何かの拍子にやって来るかもしれない出番のために稽古を始める。それは「三人姉妹」。この稽古の様子が実に活き活きとした亡霊たち。「わたしたちだけがここに残って、またわたしたちの生活を始めるのだわ。生きていかなければ、…生きていかなければ…」



だるま風「楽屋」は清水邦夫の脚本を忠実に描写していた。彷徨える亡霊たち同様、主役を張る女優Cは女優という職業に彷徨う。解ってはいたがやはり剣持直明が登場しないのは、ちと寂しい。剣持直明の女装もありだったのでは?笑


主よ願わくば全てのさすらい人を助けたまえ。そうしてこの世の不条理をものともせぬ強き人に作りたまえ。




(演劇ライフ閉鎖のため転載しました)