出演 井上陽子、鎌田雅樹、菊池ゆみこ、梶雅人、舩山智香子、溝渕俊介、村上桃子、岩田国大、飛鳥井みや、中谷弥生
作曲 伊藤靖浩
脚本 W・シェイクスピア・石丸さち子・モスクワカヌ
演出 石丸さち子
料金 3,500円

サイト http://polyphonic.la.coocan.jp/eyes/top.html


モスクワカヌ のファンなので観にいった次第。

物語はW・シェイクスピアの「夏の夜の夢」を舞台稽古している様子を描いた劇中劇だたが、役者が演出家・石丸さち子からダメだしされたり、指導を受けるシーンもリアルに含まれ、意外にも身につまされた。ワタクシは役者になりたいと思ったことは一度もないが、 役者魂を見せつけられた舞台だった。


またこの舞台に先駆けてオーディションの風景も描写され、この部分はコミカルで斬新。「夏の夜の夢」を演じるシーンも2組にキャスティングされ個々の特徴を押し出しながらも笑いに溢れた場面が多く、コメディ色が強く楽しかった。


個人的には菊池ゆみこのヘレナ役がキュート。まだこの時点では役者が役候補として決まりかけているものの、確定ではなく、それぞれの役者が不安な中にも一生懸命に演じようとしている姿に心がきゅん!となって思わず落涙する。ワタクシはこういった一生懸命さにとことん弱いのである。


終盤ではパック(井上陽子)が役者の世界に身を投じた理由である、「9歳のころに見た舞台上のスポットライトが、まるでお月さまに見え、それに憧れ夢を叶えたいと思った」描写には心を打たれた。そしてこの思いに梯子の話も加わり、ワタクシの涙腺はマックスになる。まさにコーラスラインの場面と重なる。


これらの役者の物語に美しいマリンバとピアノを奏でたのが伊藤と米重のコンビだ。キャストの殆どが歌が上手い。これにも魅了された。この物語を見ると改めて役者を尊敬してしまう。きっとこの舞台は役者が観たほうが感激度は強いと思う。勿論、一般の観客も打たれるのだが。


観終わった後、ワタクシに役者は無理だな・・と改めて思う。
だって演出家・石丸が役者に説明する感覚的な言葉があまりにも曖昧で良くわからないもの。これ、海外じゃ通用しないわ、日本人だから独特の曖昧さも通用するけど。笑


あまりにも素晴らしい舞台であったことには違いない。