みさの小劇場ウオッチ日記

公演の詳細はこっち→ http://engekilife.com/play/23820/review


めちゃくちゃオモチロイ。惜しむらくは当日配布された配役表を公演前に欲しかった。


物語は白虎隊に見せかけてるけれど、実はコダマ(精霊、亡霊)を軸にしたコダマたちの戦いだ。だから表で活躍(たいした活躍はしてないが・・)していた新政府軍らや白虎隊、会津藩主松平容保は裏(精霊の世界)では影に回っているいるというなんとも可笑しい構造だ。そして「精霊の姿は子供にしか見えない」という構成も上手い。


だから白虎隊という年端もいかぬ少年たちにはコダマが見えて、かつ、コダマらは隊士を助け乍ら、一人の隊士に一体のコダマが宿っている、というなんともファンタジーな世界だ。これらのコダマの名はアテルイ、直江兼続、藤原秀衡、伊達政宗、源頼朝、坂上田村麻呂、そしてアイヌの戦士たち……と、みちのくの英雄たちを蘇るあたり、なんとも歴史ファンタジーを彷彿とした仕上がりだ。


主宰で脚本・演出家の森山は相当なアニメヲタらしいが、日本のアニメは世界一だし、森山がアニメのスピード感に触れていたがワタクシもアニメほど、ハイテンションなスピード感と見せ方、構図、ギャグは、映像や舞台などの他の芸術は到底、アニメには適うまいと考えてる一人である。


ワタクシがギャグやコメディに敵はなしと尊敬すらしているX-QUESTのトクナガも相当なアニメヲタで 2011 公演「ムサ×コジ」 ではセカンド武蔵とセカンド小次郎が登場し、彼らはそれぞれの影で、つまり、俺はお前でお前は俺ってやつだった。格闘アニメで、影が登場したのは確か、「北斗の拳」だったが、「ムサ×コジ」では更に、サード、フォースとそれぞれの影キャラクターも登場し、主役のムサコジより、彼らの闇の声(つぶやき)がめっさ、煩かったのを覚えている。殆ど少年ジャンプの世界感だったが、今回の森山の本もこうしたコダマ(影)の活躍があってこそ成り立つ舞台に構成されていた。


そして影であるコダマのそれぞれのキャラクターに特徴をもたらし、相手の動きを止められる、情報を読み取れる、人の位置確認が出来る・・など戦闘に有利な能力を設定していた。だからコダマ同士が戦闘する際に、この特別な能力を活用しながらの戦いだったからヤヴァイくらいに面白い。そして相変わらずの殺陣能力の高い丹羽を主軸に据え、コミカルに、しかし高レベルな殺陣も魅せ観客を魅了していたと思う。


時としてドラゴンボールネタをも盛り込み、楽しく秀逸な舞台であったと思う。こういった描写は高齢観劇者にはピンと来ないだろうが、それなりの世代には受け入れられる舞台である。また、終盤で死ぬ運命の貞吉を見事なトリックでコダマ共々、生かせる設定はお見事!あくまでもコメディを強調したパッション溢れる芝居だった。しごく満足!