みさの小劇場ウオッチ日記

公演の詳細はこっち→ http://engekilife.com/play/23855/review


会場に入ると目の前のセットの壁に

「やばんだっていいじゃないか、どうぶつだもの みちを」

という筆文字が目に入る。

上手い。


相田みつおのパクリだが、筆のナブり具合も似ている。苦笑!


舞台は大月町はずれの小さな動物園、大月動物園で働く飼育員(ズーキーパー)達の物語。初代園長のみつをが亡くなって3年が経つ。「どうぶつだもの」という本を書き残してこの世を去ってから、息子の義夫(笠野哲平)が園長を継いだのだった。


義夫は父親と違ってちやほやされる仕事をしたいと考えていたことから、今の地味な仕事に不満を持っていたこともあり、仕事に情熱を持てずにドラクエで遊びながらだらだらと日々を過ごしていた。


そんなある日、地元ケーブルテレビの大月チャンネルが大月動物園の園長の密着ドキュメントを撮りたいとやってくる。そこで義夫はこれなら皆から、ちやほやされること間違いなしと踏んで自分の父親・みつをに成りすまして番組収録に協力することに。


早速、収録に取り掛かるものの、義夫は父親のように良い園長になりすます為に様々な努力をクリアしていく。そのうちそんな忙しい時間が義夫にとって充実した時間だということに気づくのだった。


収録の間に飼育員同士のいがみ合いや苛め、珍獣泥棒などを盛り込み、ドタバタと疾走させる。そして絶妙な感覚でライオンキングネタも取り込む。動物飼育員コメディ というキャッチのごとくコメディだが終盤では父親・みつをの動物に対する愛情の深さを大月チャンネルの原から聞くことになる義夫。


収録をきっかけに改心した義夫は自身も「良い園長にならなきゃなんないね」と再確認した舞台だった。終わってみれば案外、真面目な舞台だったと感じた次第。脚本も演出も実に分かりやすい。直球勝負だ。ただもうちょっと笑わせて欲しかったかな・・。