みさの小劇場ウオッチ日記

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http://engekilife.com/play/23437/review


粗筋
おおまかに、余命12日の宣告を受けた10歳の少年オスカーが問いかける人生の意味を描いた物語。

物語の舞台は難病を患った子供たちが多く入院している病院。小児白血病との闘病生活を送っていた少年オスカーは、僅か10歳にして自分の余命が12日しかないことを知る。オスカーに真実を悟られまいと両親、そして医師までもが彼の病気に関しては口を濁し、腫れ物を触るような態度で彼に接する。それは大人たちの気遣いなのだが、死の現実を冷静に受け止めたオスカーにとって、正面から向かい合ってくれない彼らの態度にウンザリして、心を閉ざしてしまう。


そんな彼に唯一真正面から向き合ってくれるのが、病院のボランティア、ローズだった。ローズに接する際のオスカーが少年本来の姿であることに気づいた病院の院長は、ローズに対して毎日、オスカーと会ってくれるようにお願いをする。大晦日までの12日間毎日、オスカーの元を訪れることになったローズは、残された1日を10年と考えて過ごすこと、そして毎日神様に手紙を書くことを教えるのだった。


初めての恋、結婚、試練、最愛の妻との別離…その日からオスカーは、病院の中で1日ごとに10年分の人生を体験していく。「思春期で苦難の世代です」という1日目(10代)から始まるオスカーの手紙。2日目になると重病の女の子と恋に落ち、結婚し、人生の喜怒哀楽を綴るオスカー。60歳のオスカーが自分の一生を振り返ってみたり、70歳のオスカーが人生の意味を見出したりと、10代にして長い人生を生きたと仮定し空想しながら幕を閉じるのだった。



自らの死をしっかりと受け止めながらも、最期まで前向きに生きるオスカーを通じて、人生の意味や生きる尊さ、いかに満足して死を迎えるかというテーマはワタクシ達観客に改めて人生を考えさせられる。この物語はフランスをはじめ世界40カ国が涙したというベストセラーだ。だから本来ならワタクシ自身、感動し涙ぐむシーンがあるはずだった。しかし、今回の朗読ペアは竹財輝之助×秋野暢子。


この2人がよく噛みまくり、またセリフを吐く順番を間違えていた。朗読劇なのに・・。まったくもって練習不足だった。また本来ならオスカーが架空にせよ加齢していく段階で声色を変えなければいけないのに一本調子。死を目前とした少年の心の変化を声で出すべきだった。そんなだから物語の世界に入って行くことが出来ず涙も出ない。むしろ、別の意味で泣きたかった。


それに引き換え音楽×ダンスがあまりにも素晴らしかった。元東京バレエ団プリンシパル・中島周(ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」死のダンサー!)によるダンスパフォーマンス、前嶋康明によるオリジナル音楽、大嶋吾郎&久保田陽子によるヴォーカル「生と死」という重いテーマを扱いながらも舞台はひとつの美しい絵を鑑賞しているようだった。


・・・というわけで朗読以外は☆☆☆☆☆、朗読は☆
他のペアの回なら期待できそうだ。