みさの小劇場ウオッチ日記

公演の詳細はこっち→  http://engekilife.com/play/23722  


脚本は、鶴屋南北戯曲賞受賞後初の書き下ろしとなる鈴木聡、演出は、ミュージカル演出の第一人者・山田和也。


明日への夢があふれていた1960年代。裏銀座にある弱小商社「東京堂物産」の社員たちは、来年に控えた東京オリンピック用のグッズ販売の権利を得ようと必死だった。弱小商社の社員たちがライバル会社とのし烈な争いに勝つために、隣接するグランドキャバレー「COOL」であの手この手と接待工作を繰り広げる。


若手社員・岡田清と安達裕人もそんな狂騒に巻き込まれる。二人は伝説のサラリーマン・塙に導かれるようにたくましく成長してゆくが、やがて派閥争いに巻き込まれ、ホステス・美枝子を巡る恋に翻弄され、同期の友情にひびがが入る。そして訪れる東京堂物産の危機に、二人はもう一度手を取り合って立ち向かうことになるのだ。


ジャズ、キャバレー、接待・・60年代の風俗の中で、時流に流されながらも夢とプライドを持ちながら生きようとするサラリーマンたちの姿を、おまぬけに、エネルギッシュに描いた作品で、接待・ゴマすり・会社が命は当たり前!?仕事も恋も一直線!個性あふれるモーレツ社員たちが繰り広げるサラリーマン・コメディだった。


昔のサラリーマンて、決してクールじゃなくて、もっと泥臭い感じで必死だったと思う。もうちょっと熱くてちょっとおマヌケなサラリーマンたちの底抜けに面白い狂騒曲が見たかった感じもする。それでも、「フォア・ザ・チーム」の精神で、なりふり構わず突っ走ろうとするサラリーマンたちのカッコ悪さとエネルギッシュ&コミカルな舞台から元気がもらえるステージだった。


柳君が 後遺症で言葉と歩き方に少し障害が残ったみたいだったが、彼の頑張りに拍手したい。