公演の詳細は→ http://engekilife.com/play/23720  


だっしゅの団長が沖縄出身なこともあり、沖縄に対する思い入れが深い。だから沖縄を舞台に繰り広げられる群像劇は、だっしゅにとっては得意中の得意だったかもしれないが・・。


物語は「シーサイドホテル」の従業員、宿泊客、近隣家族を軸に、アメリカ軍が沖縄人に対する暴行などの現状を描写し、沖縄人がアメリカ軍、ひいては国家に反感を抱き続けた結果、軍の武器庫を爆破しようと計画した若者たちの家族、友情を描いた作品。


舞台はいつもの猿2匹の前説から。この劇団のお馴染みの場面だ。これが意外にユル可笑しい。しかし本編が始まると中盤まではショートコントのような展開で、物語が繋がってない場面の連続だった。この劇団特有の笑いは滑るし、アドリブもボロボロ。会場、シーーン・・状態であまりにも痛々しかった。観ていたワタクシたちのほうが「大丈夫か?」って心配しちゃったくらい。


正直申し上げて本編の半分を過ごす時間の無駄なこと。いったい何が言いたいのか解らなかった。この部分の脚本の練りこみが甘い。いつうねりが来るのか解らない舞台を観客は1時間も待てないのだよ。せめて、10~20分で観客を舞台に引き込む策略が欲しかった。小説もそうだが、始めの一歩が肝心なのだ。


そうしてやっと、というか、ようやく、後半になって散らかった伏線を回収し始め、事の成り行きがぼんやりと解ってきたのは後半である。沖縄人は一国二制度を主張し、また在日アメリカ兵一人を養うために1000万円以上の税金投入、他に5兆円の税金投入、その上、おもいやり予算として12兆円をアメリカ軍に投入。という現状を訴え、本土と沖縄の確執なども表現していた。


総括すると、終盤での役者らのシリアスな演技が光る。シリアスな演技もやれば出来るじゃん。だったら、滑るコメディを投入しなくてもシリアスな物語で沖縄の現状を訴えたほうが舞台が引き締まり、説得力もあったように思う。


結局薬局、終わってみれば脚本のそぎ落としが甘く無駄な部分が多かったこと。舞台全体の構成も解りづらい。訴えるもののパンチが弱い。終盤でほろりとした場面もあったが、そこまでたどり着く道程の長かったこと。あけみのキャラクターが好みでなかったなぁ。




みさの小劇場ウオッチ日記