びっくりした。


私は、人工股関節手術で20日程入院している。

回復傾向で退院も明日に決まった。

私は喜んでいた。

しかし退院を両手をあげて喜べなくなった。

悲しい出来事が起こってしまったのである。



一人しかいない姉に 退院の事や入院仲間から聞いた入院情報など、病院の話をLINEで

一方的にどんどん報告していた。



その途中に姉からLINEが入ってきた。





「ここちゃんが死んだよ」




『ここちゃん』とは姉が飼っている10歳に

なる黒のラプラドール犬のことである。


返事が直ぐにできなかった。


ここちゃんは 小さい頃からよく「てんかん」を起こしていた。

そんなここちゃん、

今年になってめっきり弱ってきていた。


姉がいつもの動物病院に連れて行くと

脳に腫瘍ができていると診断を受け

場所が悪く手術は不可と獣医さんから告げられた。

それでも放射線治療で腫瘍は小さくなる可能性がある、との事で その治療に賭ける事にした姉家族は

片道2時間半かけて隣県の大学病院まで

ここちゃんを 10回連れて行った。


お金は100万円近くかかったとの事。


完治の見込みはないけれど

腫瘍が小さくなれば ここちゃんが少しでも

楽になるだろうという思いで

姉家族はここちゃんを治療に連れて行った

(1月〜4月)



その結果少し腫瘍は小さくなった。

聞かされてはいた通り

見違えるほどの改善、回復ではなかったようだが姉家族は

少し元気になって、少し太ってきたのが

「嬉しい」と言っていた。


元気な頃30kg超えの立派な体で

(我が家の犬は3.2kg)

私が遊びに行くと尻尾を ブンブン振って

飛びついてきたここちゃん

本気でジャレて飛びついてきた時は一瞬

身体のバランスを崩すほどだった。


同居の先住猫が怖い 気の小さなここちゃん

絶対に人に対して吠えないここちゃん

もちろん噛んだりする事もない

とても大人しくて、優しく、お利口さんな

ここちゃんだった。


私が入院する前の4月頃から

狭い所にあたま(顔)を突っ込んでずっと

じっとしていたり

くるくる、くるくるひたすら自分の尻尾を

追いかけるように回っていたりした。

そして 伏せて荒い息をする。


そんな、ここちゃんを見るのがとても辛かった。

私でもそうなのだから

家族である姉達の心情は、いかばかりだっただろうか。


ここちゃんの訃報を知り

しばらくして


私はLINEを返した。


「ここちゃん 頑張ってたから

もう、きつくないね」と。



姉からの返信はこうだった。




「今日、安楽死させてもらった」



そうだったんだ。。

そういえば覚悟はできている。というような事言っていた。


ここちゃんの死期が迫ってる覚悟ではなく

安楽死選択の覚悟だったのだ。

安楽死、、、賛否あると思う。

家族が話し合って辛い決断をしたんだ。

それが良かったに違いないと思う。

ここちゃんは 優しい家族に育てられて

幸せだったんじゃないかな。


甥達はきっと今、ここちゃんの手を握り

そばにいる事だろう。


真っ黒くろの可愛い ここちゃん ありがとう。


明日、会いにいきます。



  まだ元気な頃の ここちゃん




   弱ってきだしたここちゃん


 先住猫がいるから向こうへ行けないんです