児童相談所から話があった、特別養子縁組の件を辞退してから2ヶ月が経過しようとした頃です。
また児童相談所から連絡がありました。
内容は、新たな特別養子縁組の話しでした。
担当職員さんと、最後に話した時の印象的に、もう話しが来ない思っていたので、非常に驚きました。
職員さんは、何事もなかったように普通の対応でした。
まず、せっかくの機会なので、話しを伺います。
養子縁組をお願いしたいのは、もうすぐ2歳になる男の子。
実母からネグレクトを受けていた為、保護した。
現在は、養育里親の元で暮らしている。
※ネグレクトとは
ネグレクトとは、子どもの身体的、情緒的、教育的、医学的な基本的ニーズを満たそうとしないことをいいます。
子供本人には、今のところ障害や病気といったものは確認できない。
実父は、精神疾患あり。
病名は不明。
薬物経験あり。
すでに亡くなっている。
実母は、知的障害あり。
この時、恋人と同棲中。
恋人が、子供はいらないと話している。
その為、母も子供を手放すことに同意している。
以上の情報を得て、検討をお願いされました。
子供本人には、障害、病気といったものが確認できないという点は非常に安心しました。
妻も同じ思いでした。
気になったのは、精神疾患、知的障害という部分。あとは、薬物経験ところです。
親が薬物使用者というだけで、子供に何か影響があるのでは?という不安が高まります。
あと以前、ここで私と妻が同じ職場で働いていたという話しをしました。そこは、精神病院です。
その為、精神疾患、知的障害という点に関しては、非常に不安が強かったです。
当時関わっていた患者様達を想像してしまうと、どうしても関わる大変さを思い出してしまいます。
しばらく考えた結果、子供には病気や、障害といったものが確認できないという情報のおかけで、前向きな気持ちにはなれました。
ただ、1歩を踏み出すにはまだちょっと足りない。
その為、お互いの親に相談してみました。
親達も同じ思いで、前回のように反対はされませんでした。
ただ肯定もされず、あとは自分達で判断しなさいとのことでした。
妻も気持ちは前を向いていますが、まだ不安感があります。
もう少し、誰かに相談してみたいと思いました。
ここで、乳児院の職員Sさんに相談してみることにしました。
この方は、私達が里親の集まりに参加していた際、ほぼ毎回参加されていた職員です。
私達の話しに毎回しっかりと耳を傾けてくれる方だったので、話しやすかった方です。
Sさんに電話を掛けると、今回の特別養子縁組の件は把握しているとのことでした。
改めて、自分達の考え、不安感について話し、悩んでいることを相談しました。
Sさんは、私達の話しを聞き終えると、気持ちをしっかり理解してくれました。
またSさんは、男の子のことを知っている。
この時は私達に発言できる内容が限られているとのことで、男の子に関わる詳しい話は特にありませんでした。
最後に、私達夫婦のことはずっと見てきた。
私達夫婦なら大丈夫だと思うと背中を押してくれました。
私達の気持ちを理解してくれているSさん。
信頼しているSさんの言葉には、強い安心感を頂けました。
この時、妻の不安感も落ち着き、特別養子縁組をして受け入れる決意が固まりました。
※【2回目の特別養子縁組の話しに関して】
もうないと思っていた2回目の特別養子縁組の件。
Sさんと話していた際、本人から直接情報はないものの、この方が強く影響しているのでは?と感じていました。
だいぶ後になり、Sさんと話す機会がありました。
1回目の特別養子縁組を断った際、児童相談所的には、私達夫婦には今後も難しいと判断されていたようです。
ただ、私達夫婦をずっと見てきたSさん的には、私達夫婦に対する信頼が厚かったようで、頑張ってくれたようです。
信頼したきっかけは、私達夫婦は里親の集まりに毎回のように2人で参加していた。
私達の考えを聞き、自分達なりに子供のことを一所懸命考えているように見えた。
だから、私達夫婦の元に子供を預けたかったと話していました。
児童相談所の職員とは、なかなか良い関係性作れなかったと思いましたが、思わぬ所に強力な味方がいてくれたことに、非常に感動し、感謝しました。