研修を終えてから、1年くらいたった頃でしょうか、児童相談所から連絡がありました。

内容は、「季節里親」をやってみませんか?ということでした。



季節里親とは

「児童養護施設などで暮らしている子どもに、週末・祝祭日・夏休み・冬休み・春休み・秋休みなど学校の休業期間における数日間にわたって、家庭生活を経験してもらうこと」を目的に掲げる里親です。



施設での暮らしている子供を預かって頂き、家庭生活を体験させて欲しいというお願いでした。


私達も子供と関わってみたかったので、やってみることにしました。


預かる子供は女の子のAちゃん。5歳くらいだったと思います。

実親は存在しますが、わけあって離れているとのこと。

施設にて、定期的に面会は行っているようでした。

その子を冬季に、1泊させて頂きたいとのことでした。


そのたった1泊をする為に、結構な段階を踏みました。


都合が合った日に、Aちゃんの過ごす児童養護施設に我々が出向き、先生を交えての関わりを持ちました。

何度か交流をした後、様子を伺いながら先生が席を外し、私達夫婦とAちゃんだけの時間を設けて頂きました。


最初は、すぐ先生を呼びに行こうとして、部屋の外に出て行こうとする様子が見られました。

何回か会ったあとは、まずまず一緒に遊んでくれるようになりました。



関わりが増えるにつれ、Aちゃんが私達夫婦に関心を持つようになったようです。

私達が帰ったあと、先生に私達の話をするようになったと報告を受けるようになりました。

「次はいつ来るの?」と尋ねる様子も見られたようです。


ただ、いざ会うと緊張するのか、先生の元へ行こう行こうとする様子は相変わらずみられました。



少し慣れてきた頃、先生も同行しながらAちゃんと施設から外に出て、散歩に行きました。

そして、スーパーに買い物に行きました。

私達の家に来た時に食べるおやつを買う為です。


私達の家に来るのが、少しでも楽しみになるようにする為の準備ですかね。



そして、今度の環境は私達の家になります。

先生と共に、私達の自宅に遊びに来ます。

それが数回あったかな。

タイミングを見て、先生は用事を済ませてくる等と言って外出し、Aちゃんと私達だけで過ごす時間を増やしていきました。


時間がある程度経つと、「先生を迎えに行く!」といって、外に出ようとする様子も見られました。

いつも一緒にいる方がいなくて、不安になったんでしょうね。


そして、いずれ私達の家にお泊りに来ようねとAちゃんと話し、本人も意識でき始めたあたりで、いよいよ本番の日を迎えることになります。



季節里親の話しを頂いてから、ここまで来るまでのはっきりした時間は覚えていませんが、体感だと2ヶ月くらい経過していたような気がします。