20世紀の音楽はドビュッシーの印象主義音楽とともに始まるといえます。

彼がパリ音楽院に入学したのが1873年、そこでローマ大賞を受賞したのが11年後の 1884年。

そして、印象主義の最初の作品ともいわれる

《牧神の午後への前奏曲》を書いたのが1894年のことです。

とすれば、20世紀の音楽ともいうべき、それまでの伝統的な書きかたと異なった音楽の始まりを、

その時期とみなすこともできるでしょう。

しかし、その時期、ドイツでは、まだリヒャルト・シュトラウスがワーグナー風の音楽を書き、

ブルックナーもマーラーも健在でした。

イタリアでは、ヴェルディが最後の歌劇《ファルスタッフ》を書き上げ、

プッチーニが活動期に入る頃です

つまり、時を同じくして、

伝統的な音楽が一方では盛んに作られていた時期だったのです。

こうした新旧2つの流れは、第一次大戦まで並行しながら進んでいきますが、

その中で、より新しく、より実験的な音楽も書かれていき、

次第に、その存在が注目されるようになっていくのです。