アダルトゲーム『殻ノ少女』をやっています。2008年にリリースされた最初のバージョン。

最近、主人公の声も入ったフルボイス版が出ていると後から知って、しまったなと思いましたけど、持ってるなら買い直すこともないかな……

もちろん、公式サイトで聴いた主人公の声もかっこよかったので、今から買うならフルボイスがいいかと思います。

選択肢つきのノベル、推理ものです。けっこう残酷な表現も出てきます。でもそれはともかく、画面の美しさと音楽の良さ、文章のうまさに惚れ惚れするゲームです。

アダルトゲームってテカテカした塗りが多いと思うけど、このゲームの画面はシック。第二次世界大戦後の昭和の町をしっとりと表現した背景に、シンプルな色で描かれた人物画がなじんで、古い推理映画を見ているような気分になります。

原画の杉菜水姫さん、男性キャラが上手なのも特長かな。美少女を描くのが上手い人で、年配の男性も完璧に描ける人ってあまりいないです。

メインヒロイン・冬子を演じる、あじ秋刀魚さんにとっては、デビュー作かな?

まだすごく上手というわけじゃないんですけど、少年っぽい神秘的な独特の口調が「冬子」という個性的なヒロインをよく表現していて、聴いていて心地いいです。

個人的に、主人公の妹を演じているかわしまりのさんの声が好きです。

かわしまりのさんは、アニメっぽい派手なゲームでは外連味のある演技もありますが、文学風味のあるゲームでの地味な演技も上品でいいです。どちらにせよ、味わい深い。

バラバラ殺人が主題で、残酷といえば残酷ですけど、ミステリが好きなら女性がプレイしてもいいと思います。

ゲームを男性向き女性向きと分類するのは好きじゃないんですけど、派手さに走りすぎない品のいい作りは老若男女、誰でも楽しめそうです。