【続き】ネガティブ・ケイパビリティのススメ② | みるまに【手刺繍と言葉】

みるまに【手刺繍と言葉】

中組温子(なかぐみ あつこ)
暇を見つけては刺繍します
ときどき人と言葉を交わすのも好き
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ちょっと時間空きましたが…
前回の続きです。

今回は、わたしが実際に
日常の中で肚落ちした
ネガティブ・ケイパビリティについて


前回、
ネガティブ・ケイパビリティ
という
負の力を知った上で、

自分から出てきた
自分のやりがちなパターンについて
こんなふうに書きました。


わたしたち人間は
「分からないこと」に対して
「分かりたい」という欲求というか
本能を持っていて

「分からないこと」への居心地の悪さから
早く逃げ出したくて
半ば無理やり「分かる」に
落ち着けようとしてしまう



これは、
良くも悪くも使ってしまう
人間が持つ思考パターンだな、と
思うのですが


例えば、良いパターンとしては

願ったことが叶ったときなど
科学的には解明できないし
言語化もできないけれど
自分が『願った』から『叶った』んだ
と、良い因果関係の作用を感じて
自分の行動を肯定できたりしますよね。


または、

とても嫌なことや辛いことがあったとして
『これは今の私にとって必要なことなんだ』
と、意味付けすることで
乗り越えたり救われたりすることもあります。


そして

上手くいかなかったこと
思い通りにならなかったことに対しても

『思考で考えすぎたのがダメだった』
『損得勘定だったからだ』
『イヤイヤやってしまったから』
などなど

自分の行動に意味付けすることで
納得できることはたくさんあります。


そういう面では
「わかる」という着地点に
行き着くための思考の動き
わたしたちの心を安定させるための
正常作用とも言えます。


とはいえ
それが癖づいてしまい、
なんでもかんでも
早急に答えを見つけ
「わかったような気になる」ことは
思考停止ではないのか


解決できないことを
表面的には解決したように見せかけても
単にフレームアウトさせただけで、

葛藤や迷いや不安や悲しみ
まったく消し去り、無きものには
できないんじゃないか



と、どこかで危機感も
持っていたのでした。


そんなときに出会ったこの本によって

この、薄らぼんやりと持っていた
危機感というものを
やっと自覚&認知できた、というのが
わたしの気づきでした。


そして

その自覚&認知のあと

果たしてこれは
日常生活での自分の体感に
どう作用されるのか?

という実験をしてみたのです。


具体的に言うと

とある心配事があり、それについて

あのときのあの言動が悪かった?
過去の出来事からの影響?
わたしの性格の問題?
それとも外的要因?

あーもうわからない!
この感情とか感覚、持ったまま
過ごすのがすごく苦痛だ!


そんなふうに
あーでもないこーでもないと
思考も感情も
混乱しつつあった、あるときに


もうどうにもならないので
無理やり布団に入って
寝ることにしたんです。
(もちろんすぐは寝れなかった)



起きると次の日の朝で

目覚めの瞬間は
「あ、朝だ」
というシンプルな感覚。

その次にやってきたのが
「昨日のあれ、解決してなかった」
という嫌な感覚。


けれどそのときに
同時に感じたのは


あの嫌な感覚を持ったまま
わたし一晩越せた


という
自分が自分に対してしか
感じてあげられない称賛でした。



答えは出ていないし
解決もしてないけど

それを持ったまま
一晩を生きて越せたし

目が覚めた瞬間は
一瞬だけだけど
とても軽やかで清々しかった。


もちろん、心配事に関しては
まったく解決していないし
前進していないのですが

それを持ったまま、一晩生きられた

という体感が

今日もまたそこに向かうための
自信と力になったのは確かでした。


そしてそれからの数日は

解決していないことを
持ったまま過ごす、と決めたおかげで


自分の思考を俯瞰して見ることができたし

葛藤や不安や傷さえも
喜びや楽しみと同じように

「大切に所有する」

という感覚を掴んだことで
自分が自分に触れられる範囲が
一気に広がった感覚がありました。

つまり、簡単に言うと

自分に寛容になれた

ということ。



ネガティブ・ケイパビリティの
行き着く先は

自分にも他人にも
そして世界に対しても
寛容になること




本の中にも出てくる表現でもあるのですが

一人一人が
自分に寛容になること、からしか

他人への寛容や
世界への寛容は
育たないのだろうな、と


今回の感覚をもって
実感しました。



昨今、巷に溢れている
外から仕入れた
すぐ役に立つライフハックではなく

自分の中にあるものを
静かに時間をかけて扱うことで
見えてくる世界。


わからないことを
わからないままで

排除するでも
無理矢理わかろうとするでもなく

大切に所有してみる

という寛容さ。


それがわたしたち一人一人に
備わっていれば

世界は
平和を維持できるのかもしれない。

帚木先生も
そんな風に書かれていました。



興味を持った方は
ぜひ、読んでみてください。



そして感じたこと、体感できたことを
教えてもらえるとうれしいです。


最後までお読みいただき
(そしてマイペースな更新にお付き合いいただき)
ありがとうございました!


また、おすすめの本については
シェアしていきたいなと
思っております^^





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