観終わってからかなり経ちます。書きかけ記事をアップです。
とても心に残るお話で、私のなかでは名作の一本となりました
お気に入り度は+0.5キラキラ
お決まりの復讐もあるし、ラブロマンスもあるけれど、物語の中心は家族愛。
殿堂入りの『天地人チョンジイン』(記事書いてませんがあせる)にも似た優しい視点が心地よいドラマでした
 
この物語のなかには、血はつながっていなくても、いたわり合い深い情を持つ親子、兄弟がいる。一方で血がつながった本来の親子のはずなのに、それを否定したり認めない関係がある。
 
家族って何だろうって改めて考えさせられました
家族って単なる血のつながりだけではない。一緒にご飯を食べ一緒に眠り、一緒に笑ったり泣いたりしながら、同じ空気を吸い、同じ思い出を共有して人生を紡いでいく。
喧嘩しても反目しても、離れていても無条件にお互いを受け入れ合える、そういう関係が家族、といえるのかもしれません。
『私の心が聞こえる?』全30話 衛星劇場 番組HP→ 衛星劇場HPKNTVHP

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画像はKNTVさんからお借りしました

作品紹介
■MBC制作:2011年4月2日~2011年7月10日 全30話
 
■出演
キム・ジェウォン:『ファン・ジニ』『ワンダフル・ライフ』
ファン・ジョンウム:『ジャイアント』『エデンの東』
ナムグン・ミン:『セレブの誕生』
コ・ジュニ:『キツネちゃん、何しているの? 』
イ・ギュハン:『私の名前はキム・サムスン』
 
■演出
キム・サンホ
『紅の魂~私の中のあなた~』『香丹伝』『ファンタスティック・カップル』『シークレット・カップル』
 
■脚本
ムン・ヒジョン
『ラストスキャンダル』『あなた、笑って』『天国の樹』
ストーリー(前半は衛星劇場さんからの抜粋、後半はkiokioが補足しました)
『少女ウリは、貧しいながらも、聴覚障害を持つ母ミスクの愛情をたっぷりと受け、明るく元気に毎日をすごしていた。ある日、ミスクと知能障害者ヨンギュとの結婚が決まりウリは喜ぶ。
ヨンギュには、秀才だが、障害を持つ父親と貧しい家族を疎ましく思う息子、マルがいた。自分の兄となったマルのことが好きになったウリは、毎日マルに話しかけ、マルも次第に心を開いていく、
そんなある日、ピアニストを夢見るウリが学校に忍び込んでピアノを弾いていると、同じく家を抜け出して学校に忍び込んだウギョン財閥会長の孫ドンジュと出会う。
ドンジュにピアノを教えてもらい、仲良くなるウリとドンジュ。
しかし悲劇は起こってしまう。
ドンジュは、義理の父親でウギョン財閥社長の座を狙うチェ・ジンチョルが、ドンジュの祖父であるウギョン財閥のテ会長を殺害する現場を目撃し、衝撃で2階のベランダから転落。その時頭を打った事が原因で聴覚を失ってしまう。
一方ウリはウギョンの工場火災で最愛の母を亡くし…。
マルは、父にかけられた冤罪を晴らすためドンジュの母、テ会長の一人娘であるテ夫人に
父を救って欲しいと訴える。夫ジンチョルへの復讐を誓うテ夫人は、マルを受け入れる代わりに、聴覚のない息子ドンジュを支えさせるため、兄という名目でチャン・ジュナという別人として育てることにする。
父ヨンギュと祖母と共に、突然失踪してしまったマルの帰りを待ちながら、家族の絆を深めていくウリ。
成長して再会するウリとドンジュ、そしてジュナと名を変えたマル。
マルを兄なのではないかと疑うウリは、耳の障害を隠して後継者の立場を守りながら義父への復讐を進めるドンジュと心を通わせ、一方ジュナとなったマルは、ドンジュを支えながら、テ夫人との約束を守るため、今も自分を待つ家族との縁を切ろうと心を閉ざす。
ドンジュの障害の真実、ジュナ=マルの真相、テ夫人が隠していたジュナの出生の秘密と、さまざまな問題が絡まり合いほどけていくなかで、壊れかけた家族の絆が少しずつ再生していく…』
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↑KNTV HPよりお借りしました
感想(ネタバレ含みます)
冒頭、貧しいけれど優秀な少年マルと家族の様子が描かれます。
家族を恥ずかしく疎ましく思うマルは反抗的だけど、おばあさんと知的障害を持つ父、この二人がとってもあったかいそんな二人に育てられているマルだから、出世欲ギラギラな激しいタイプではなくて。心の奥では家族として2人を受け入れていることが感じられる。
おばあさんは口が悪いし、ヨンギュはズレていて笑いを誘うけれど、愛がいっぱい伝わってくる、ほんとうこの二人が最高でしたグッド!
イメージ 3大きな赤いタライを持ったおばあさん。楽しそうに歌いながら自転車を走らせるヨンギュ。
この二人、実は血がつながっていない。
そしてマルも、おばあさんには実の孫だけど、父ヨンギュとは赤の他人。でもその事実を知らないマル…。
どうして障害のある子をおばあさんが育ててきたかは終盤に明らかになるのですが、それがこの物語のテーマの鍵でもある。その設定に名作映画『エレファントマン』を思い出してしまった私でした。
 
ヨンギュ役:チョン・ボソク氏 この方がもぉ~全編通して素晴らしかったです!グッド!キラキラ
イメージ 4ヨンギュの一途でまじめで一生懸命な姿にたくさん心を洗われました。
世間では当たり前で通っていることに素朴に疑問を抱き、納得いく答えを見つけようとする真摯な姿に、見習うべきことがあるな~と考えさせられました。
ボソク氏、同時視聴始めていた『武神』ではカリスマなチェ・ウを迫力で演じてらっしゃり、そのギャップというか演じ分けに驚嘆でした~
 
イメージ 5おばあさん役:ユン・ヨジョンさん
いじわるお母さん役のイメージもあるけれど『棚ぼたのあなた』と同じく、なんか憎めません(笑)
悪態をつくシーンが多いのですが、本当は心から皆を大事に思っていて。。
真っ赤な大きなタライを抱えて交番の隅っこで眠りこけてる図がとっても可愛らしくて忘れられません。
 
 
ここに絡んでくる少女ウリの設定が変わってます。
お母さんは聴覚障害者。戸籍登録されていないので、名前もないし小学校にも行けない、とても悲惨な境遇なのに、この少女は天真爛漫で明るくて、却ってこちらのほうが元気をもらえる。不思議なパワーを持っています。
このウリのお母さん=ナ・ミスク:キム・ヨジンさん。
イメージ 6『チャングム』『イ・サン』でおなじみです。
心優しい聴覚障害の母、なのが後半では彼女に瓜二つながら正反対の強烈な女性で再登場。このキャラが爆笑ものでにひひ
どちらも個性的な女性を魅力的に演じてらっしゃいました。
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血のつながらないおばあさんとヨンギュ、ヨンギュとマル。ここにミスクさんと娘ウリが加わり、新たな家族の誕生です。
 
しかし火事が起こりミスクさんは亡くなる。マルは義理の母の彼女が自分のために逃げ遅れたことを知り、さらに父が火事を起こしたとあらぬ嫌疑をかけられて、家族に黙ってテ夫人のもとに助けを乞いに行きます。
このことがマルの人生を大きく狂わせてしまいます。
 
もう一人の主役ドンジュ、これまたありがちな財閥の御曹司ですが(笑)優等生のお坊ちゃま、ではなく型にはまらない自由気質。だからウリともすぐに打ち解け心を通わせることができる。しかし、義理の父の蛮行を目撃して事故に遭い、聴力を失ってしまう。
 
現実を受け入れられないドンジュは、言葉を話すことも拒否してしまう。そんな息子を叱咤激励してなんとか話させようとする母・テ夫人の凄まじい執念が…すごかったです。
根底には自分と父を裏切った夫への復讐があって、そのためには息子ドンジュが万全の態勢で
なければならない、健常者として育てなければいけないって思いもあったとはいえ…
聴力を無くした息子の弱気を一切認めず、あなたは話せる、あなたは出来る、それができないなら一緒に死のうと崖まで引きずっていくシーンはもう、絶句ものの迫力でした。
手話を習うという方法もあったのに甘えを許さない。そこには息子を立ち直らせるための鬼母の想いもあったわけで。。私だったら…絶対にできないと思います~
 
さて。主役陣です。
イメージ 8ドンジュ役=キム・ジェウォンssi
『ファン・ジニ』での悲しい役どころが心に残っています。
ドンジュは上に書いた通り、母の執念に打たれ、障害を隠したまま祖父の会社を取り戻すため後継者となる道を選びます。
彼はいわば、母親の復讐心の盾として苦行を強いられている。
愛する母のために想像を絶する努力で嘘で身を固めながら、義父に挑まなければならない悲壮な人生。なのにそれを表に出さず、いつも優しい微笑を浮かべ飄々としている姿に、余計に哀しみを感じました。
口元だけを見て人の話を理解するというのは手話とはまた違い、口話(読唇術)というそうだけど、凄い技術ですね汗本当にできるのかと半信半疑だったけど、ラストのほうでウリが手話を習うシーンで、講師の方が読唇術を実際に使っていることを明かしていました。彼女は本物なんでしょうね。説得力がありました。
 
イメージ 9ウリ=ファン・ジョンウムちゃん
 
逆境にいても底抜けに明るく前向き。こういう彼女の魅力は義理の親子となるヨンギュの魅力と重なります。
二人揃うと最強の前向き思考(笑)
イメージ 14ウリはやがて、ドンジュの耳のことに気が付きます。それは母が聴覚障害者だったからで。
(実はヨンギュは初めから気づいていたっていうのも凄いですけどね)
 
いつも優しく明るいドンジュがどんなにつらい現実を抱えていたのかを知り、彼の心の支えとなっていきます。
 
イメージ 10マル=ジュナ:ナムグン・ミンssi
知的で穏やかで少し寂しげな佇まいがぴったりでした。
明日から始まる史劇『亀巖ホ・ジュン』ではあのユ・ドジを演じるんですよね~今からとっても楽しみですキラキラ
マル=ジュナの人生も悲壮です。貧しく、障害のある親が恥ずかしくいつも反抗的だった少年。
それでもウリがなついていたのは彼の本当は優しい心根をちゃんと見抜いていたからで…疎んでいたはずの父のために、ドンジュ母に泣いてすがったマルにはその本心が表れていました。
でもその父が本当の父ではないとは知らない。
ドンジュ母は復讐のために、事実を知っていながら隠して、ジュナという別人に仕立て上げて利用します。彼自身にもまた、貧しさから救われて自分の才知に見合った道を歩めるという代償を得られるのなら、家族を捨ててもいいという打算もあって。
そういう罪の意識の懺悔のために、別人の人生、ドンジュの補佐という立場を受け入れたんでしょうね。
 

韓ドラではおきまりの復讐設定ではあったけれど、このドラマが秀逸だったのは、たとえ発端がどうであれ、登場人物たちが本当の家族としての愛情を育てていったこと。
 
ジュナとドンジュ。
テ夫人の復讐心が元凶でどちらも哀しい人生を背負っているけれど、2人は実の兄弟のようにしっかりと心の絆を結んでいて。一緒に眠ったりふざけて遊ぶシーンには愛が溢れていました。
元凶となったテ夫人もまた、夫への恨みから利用したジュナではあったけれど、実の息子のように愛情を注ぐ。単に利用しただけではなく、ジュナを想う気持ちが本物だったことに終盤ではちゃんとつながっていくのが観ていて嬉しかったです。
 
後半、真実を知ったジュナが怒りのため暴走します。このままいくと、ありきたりな復讐もので終わっちゃうかとヒヤヒヤしましたが、そうはならなかったのが本当によかった!
冷酷に見せていてもジュナのスマホにはちゃんと「お母さん」と登録したまま残してありました。彼もまた心の中ではドンジュ母を実の母と慕い続けていたことが分かり、それもまた嬉しかった!
成長しても顔を見れば絶対にマルと分かる、というヨンギュが描いた似顔絵も、自室にこっそり貼ってあるのにもじ~んとしました。
 
終盤は感動の涙をたっぷり流しました。
ドンジュの危機を知ったとたん、ジュナがそれまでの仮面を取り去り、蒼白になって「兄さんが来たぞ!」と叫びながら火の中に飛び込むシーンにもう、号泣~
 
一番無力だったはずのヨンギュがジンチョルのところに乗り込み、これまでのひどい仕打ちの数々に怒りを爆発させてジンチョルを圧倒し
「それでもマル(ジュナ)を育ててくれてありがとうと言わなきゃいけないんだ!ありがとう」と泣きながら感謝するシーンにまた号泣~。健常者が身勝手に物事を解釈していくのと違って、ヨンギュは純粋な良心に照らし合わせ、善悪を判断して行動する。きれいなままの心根の見事さ、強さに感動したシーンでした。
 
その後のジュナと皆との和解に泣け(やっとマルにご飯を食べてもらえたヨンギュ~)
おばあさんの亡くなるシーンに泣け…。
 
ラストは皆が寄り添い楽しく食卓を囲むシーンで締めくくられます。
一緒にご飯を食べられる、って家族の最高の幸せなのかもしれませんね。
 
本当にたくさん感動をもらえた作品でした。
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チェ・マルリ@世宗=イ・ソンミン氏も最高だった~グッド!
 
 
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長~い文章をお読みくださりありがとうございました。
優しい感動をもらえる良作だと思います☆