『イニョン王妃の男』 気になっていたこれをようやく一気視聴しました。
この胸キュンにひひな感じ、「成均館スキャンダル」と質が同じです。
お気に入り度は成均館と同じくです
イニョン王妃の男 衛星劇場 全16話 番組HP→(BS TBSさんのHP
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作品紹介
■韓国tvN 2012年4月~6月 
■演出   キム・ビョンス / チョ・ロクファン(6話~)
■脚本   ソン・ジェジョン / キム・ユンジュ
■出演   チ・ヒョヌ『千回のキス』『セレブの誕生』 ユ・インナ『シークレットガーデン』
       キム・ジヌ、パク・ドゥクヒ ほか
内容紹介&感想(ネタバレなし)
実は、同じタイムスリップものの「屋根部屋の皇太子」を先に観ていたので
似た路線を続けて視聴する気がせず…こちらは避けていた私。
 
それに、成均館に続いて期待度大で観たユチョン君の屋根部屋でしたが
思ったほどのめりこめず…汗
ユチョンくんは相変わらず魅力的に演じてたんですが、ストーリー自体がどーもね。
富豪だの、跡取りだの、出生の秘密だの、のおきまり展開は正直、食傷気味。
それと、ハン・ジミンさんご本人は好きな女優さんですが、ユチョンくんとのカップリングが
なんだかしっくりこなくて、肝心の二人の恋模様にまったく感情移入できず
ただもうユチョンくんとお付き三人の面白さ中心に、楽しんだ感じでございました
 
で、こちら「イニョン王妃の男」ですが・・
私的には屋根部屋より、格段によかったですチョキ
噂通りの面白さにぐいぐい引き込まれ、大満足~グッド!
史劇と現代もの両方を楽しめるし、れっきとした史実との絡め具合もよかったです
 
時代は李氏朝鮮王朝第19代王・粛宗の20年
ドラマではキム・ヘスさんの「張禧嬪チャンヒビン」が有名ですが、同じ時代を「同伊」も扱ってましたね。
粛宗が西人派である中殿(仁顕イニョン王妃)を廃し
寵愛していた、南人派の擁する禧嬪張氏が中殿の座に収まり、イニョン側の西人派が大量粛清される
己巳換局の直後。
 
こういう確たる史実の大筋の中に、タイムスリップというファンタジーがすんなりと溶け込んでいる。
武術シーンや特撮も多くて史劇ならではの見せ場もあり。
撮り方も凝っていて、300年前と現代とを、ちょっとセピアなドキュメンタリータッチのカラーと
明るいクリアな現代カラーとに撮り分けているのがいいなと思いました。
音楽もそれぞれで違うんですよね。撮影陣のこだわりが効いていましたチョキ
 
主人公キム・ブンド(チ・チョヌssi)はこの政変で両親、義父、妻を亡くし、一人生き残る。
(って「王女の男」のキム・スンユみたいだが得意げ
つまり西人派。なので廃庶人となった中殿の復位を陰ながら助ける。
(って、これは実在のキム・チュンテクみたいだが(笑)
多分ブンドは架空の人物なのでしょうが、充分存在し得る設定です。
 
対する南人派はミン・アムで、これは実在の有名人物。
己巳換局後の西人残党を撲滅しようと先頭に立った大物です。
そのミンが、廃されたイニョン王妃を亡き者にしようと画策。
ブンドはそれを阻もうと王妃救出に駆けつける。
 
弘文館でミンの放った刺客に襲われるブンド。あわや…というところで
突然、現代の弘文館にタイムスリップしてしまいます。
目覚めるや異変を察知、周囲を見回し、刺客はおろか書棚もなにもないがら~んとした
ところにいると知って、なにかが違うと直感。
 
屋根部屋のほうは、ユチョン皇太子はともかく(笑)周りの3人組がわいわい大騒ぎで
まぁそのハチャメチャぶりが面白さのポイントでもあったわけですが
こちらのブンドはたった一人です。
ものすごく不安で心細いはずですが、息をひそめて静かに行動に移る。
慌てず取り乱さず、慎重に冷静に。その姿がなんともスマート
 
彼がタイムスリップしたのは
「新・張禧嬪」(いかにもありそう(笑)というドラマの撮影現場。
そこで最初に出逢う現代人?が、イニョン王妃役に抜擢されたばかりの
新人女優ヒジン(ユ・インナssi)
彼女に背中をポンと叩かれて、身構えつつ振り返るブンドの身のこなしが絶妙~!
 
ヒジンのほうは両班姿のブンドを役者だと即断(笑)
自分がイニョン王妃役だと嬉しそうに洩らして、ほとんど舞い上がり状態アップ
一方のブンド、全身疑問符のかたまり得意げ
現世の中殿様が、後日仁顕イニョン王妃と呼ばれるなんて知らないし
ペラペラ嬉しそうに話すヒジンをただただ見つめるだけ。
まるで彼の頭の中のコンピューターが、ヒジンの一言一言や周りの状況を
瞬時解析しているみたいで(笑)
そのリアクションのふつうじゃない様子に、ヒジンは頭のおかしな人かと
思い離れようとするんですが、ここでブンドが聞く。
教えて欲しい。ここはあの世か夢の中かと。。
ブンドのほうは、物腰も話し方も朝鮮時代の両班そのものだし
ヒジンのほうはこれまた典型的な現代ギャル。
このアンバランスなツーショットがもう可笑しくて、
この二人がどんなふうに恋を育んでいくのか興味津々で
1話からどっぷり釘づけになりました。
 
問題のタイムスリップのからくりですが、その鍵は1枚のお札。
ブンドを想う妓生(かつての下女)ユンウォルが、彼の身の安全を仏に祈り
信心深い想いに打たれた住職の書いたお札なのですが…
 
「時道通来間必救人」
時の狭間をすり抜けることで救われる、死ぬことで生かされるように書かれた呪文が
彼のタイムスリップのパスポートとなる。
このお札のおかげで300年の時を行き来できるようになってしまうブンド。
 
本当は死ぬ運命にあったブンドが生きてしまうため、そして
現代での恋を育もうとしてしまうため、史実がどんどん変わってしまう。
その収拾をつけるため、さらに行ったり来たり。。すると
現代の恋愛模様も二転三転…。
はらはらどきどき、いったいどうなるのかと目が離せなくなります。
 
ドラマの中でブンドはヒジンに、因果というものについて語ります。
因があれば必ず果があると。 この物語のテーマってまさにこの因果。
二人の縁、因と果が現代と過去のそれぞれの時間進行と共に
どんどん変わりながら巧みに結ばれていくのですね。
 
それから、300年後の時代に来てしまったという現実を主人公たちが
理解していく様子も、丁寧でリアリティがありました。
図書館で朝鮮王朝実録を調べる
お金は父の遺品を現代の鑑定家に出してゲットする。
中国人観光客の本で(説明が全部漢語なので)韓国での電話の掛け方など
日常のことを学習しちゃったりする、なんて具合によく練られてます。
 
一方のヒジンが、ブンドのことを
俳優への夢を断たれて頭がおかしくなった人か、はたまた
特撮の撮影スタッフかと思うのも自然だし
ブンドと一緒にタイムスリップしてしまった馬が街なかで発見され
その鞍が朝鮮王朝中期のものだと判明したとニュースになって
それを見てブンドの正体を確信するという展開も上手いです。
 
脚本家ソン・ジェジョンさんは、新作の『ナイン・9回の時間旅行』でも
やはりタイムスリップものを書かれていますね。
当時はこの2作をほぼ同時進行で書いていらしたそうで。
こちらは物語を楽しめるように割とシンプルな展開になさったそうですが
(それでもちと頭が混乱しそうでしたがあせる
もっともっと複雑に絡めたというナインは…
私の頭では一回では理解できなさそうですが(笑)とっても楽しみですにひひ
 
シリアスな史劇部分に対して現代での展開はコメディ路線で、
これも屋根部屋よりこっちのほうが好きな私です。
まずは、ブンドが出逢って恋に落ちる女優ヒジンがとってもキュート!
1話で、監督から主役決定の電話をもらうもスマホは側溝の中に落下~
それでもめげずに、側溝に向かって必死に答える姿は爆笑もの!
可愛いだけなくヴァイタリティーもある強者ですにひひ
演じるユ・インナssi
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「シークレットガーデン」
でもハ・ジウォンさんのルームメイト役で光ってましたが
こちらはさらに魅力的。
素の彼女に近い感じなのでしょうか。
明るく元気いっぱいで情感豊かなヒジン。こういうキャラは女性にも好かれますね。
 
彼女をとりまく面々のキャラも生きてます。
マネージャーのスギョン。ヒジンの保護者的な存在ですがボケ具合が可笑しい。
ヒジンと二人、ジェスチャーと表情だけの会話にもウケましたにひひ
それに、ブンドへのあの身上調査が~~(爆)
元彼の俳優、ライバルの人気女優も、意地悪はするけれど憎めないキャラで
彼らを巻き込んでのドタバタぶりは明るく楽しく笑わせてもらいました。
 
そして…チ・ヒョヌssi演じるキム・ブンド、このキャラがナイス~グッド!
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科挙に主席で合格した超エリート文官ながら、武術も見事にこなす。
すらりとした長身、穏やかで優しげな面立ち
知的で真面目で冷静、とても自然体で温かみのある両班の好男子キラキラ
ヒョヌssiぴったりでした。彼も素に近いのかもですね。
余談ですが、スギョンに散々(笑)身上調査されるブンド、出身大学はと聞かれて
「成均館」て答えます
ドラマ中でも噴き出すシーンなのですが
ヒョヌssiって本当に成均館大学出身なんですよね。
それを踏まえてヒョヌssiの表情を観察すると、さらに可笑しいシーンです!
 
主演二人が文句なしにお似合いなのは高得点チョキ
このお二人、ドラマを通じてリアル恋愛に発展、正式に交際宣言したんですよねキラキラ
さすがに息の合い方が素晴らしい~にひひ
ヒョヌssiはただいま兵役中ですが、ほのぼのカップル、見守ってあげたい二人です。
 
ところで、ミンの配下でブンドを狙い続ける刺客チャス役のこの方ですが。イメージ 2
どこかでみた顔だな~と思ったら、「馬医」のマ軍官でした!
彼はブンドのお札を二つに切ってしまいますが、
きちんとかがって繋いであるのにはなんだか笑ってしまいましたにひひ
チャス、ちまちま縫ったんでしょうか。マ軍官だったらやりそうです、(笑)
「馬医」では武官なのに雑用ばっかりさせられて
武術シーンは終盤辺りにようやく披露できたマ軍官でしたが
こちらでは刺客ですから。かっこいい立ち回りで頑張っていました。
悪役だから最後は哀れでしたけどね。
 
コメディばかりでなく、お話が進むにつれて
生と死に振り回されながらたった一人で時空を彷徨わなければならないブンドの
悲哀・孤独がクローズアップされ、後半~終盤はたっぷりと泣かされました。
時空を超えた二人の恋が簡単に実るはずはなく。
誠実なブンドが苦しむ葛藤が切なくて
ブンドのために心を痛め、涙を流すヒジンも哀れで
最後の最後まで読めず、終盤3話はたっぷりともらい泣き…
でもラストはこれまたナイス!なまとめ方チョキ
観終わったあとのさわやか~な満足感も心地よくて。
 
エンドロールでのおまけにも大笑いでした!
3度目の!スギョンの身上調査にも、どこまでも誠実ににこやかに答えるブンドは
親切にも(笑)聞かれる前からまとめて答えてあげる(ぷぷぷ)
まさに好男子の鑑なのでした~にひひ
って、未視聴の方にはなんのことやらでしょうね。
ご覧になった折にはたっぷり笑えることと。
もう、BSでも放映始まっていますが。このシーン、削られませんように~~。
 
笑える、泣かされる、胸キュンもさせてもらえる、後味のいい良作だと思います。
夏休み中に、今度は娘と一緒にリピしたいなと思っています